2018. 02. 22  
倒れずに立っていれば必ずゴングが鳴る。


『終電の神様(阿川大樹:著)』です。



終電車が「突然の停止」。
その前後のそれぞれの人たちの様子を描いた短編集です。



「何にでも『人生』をつけると陳腐になるよね」


そんな会話をしている場面がありました。
「人生」とつく名言を各自、口に出してみているのです。


「人生、山あり谷あり」 あったりまえじゃん!

「人生は学校である」 名言ふう

「人生は自転車のようなものだ」 なにそれ?
*アインシュタインの言葉。
走るのをやめたら倒れるよ、だから走らなければならないという意味。

「止まって足をつければいいじゃん」 そのとおり♪

「人生は十段変速の自転車のようなもの。
ほとんど使わないギアばっかりだ」

*ライナス(スヌーピーの友達)の言葉。これが一番名言ふう

♪人生いろいろ~
♪人生、楽ありゃ、苦もあるさ~



あらためて見てみると、当たり前のことばかりかもしれませんね~。
小説内ではボクシングジムトレーナーの言葉も出てきていて、
人生はボクシングと違って、3分では終わらないけれど・・・

「なんの手立てもないときは、
まずはただ倒れずにゴングが鳴るまで立っていることだけ考えればいいんだ」



名言ふうですね。
人生でいう「ゴング」が何を指すのかはいろいろ違ってきそうですけれども。
なぜかふんばろうという力が湧いてくる言葉です。


どこの誰の言葉かわからないけれど、

「どんなに朝日が見たいと努力しても、
夜のうちは太陽は出てきてくれない」


これもまた、はあ、そうだよなあ。・・・って悟ったような錯覚に(笑)。



実は今回、紹介しなくてもいいかな~って思ったんです。
すっごく面白かった!読んでほしい!とまでいかない。
どちらかというと、物足りない。

「終電の神様」というタイトルですが、神様らしきものも出てこなかった。

だからといって、不満があるとか途中でやめたくなるような話でもなく。
父の危篤にかけつける男性の物語は少し涙するくらい感動できたし。
読後感が悪いというものでもないのです。


もしかして、これこそが「陳腐な人生」を描いたものかもしれないな~。

毎日って、そんな劇的な何かがあるものではないですよね。
どちらかというと、パッと見、同じことをくり返す毎日。

その毎日のちょっとずつが違っていて、その違いを見ることが人生を楽しむコツで。

平凡で、陳腐で、ダサい人生こそが自分の人生なのかもしれないし、
実はそれが「いい人生だった」と言えるものかもしれない。




「人身事故のため、電車が遅れております」
こんなアナウンスに「もう!」と憤慨してしまうこともありますが。

急いでいる人もいれば、ゆとりのある人もいる。
事故にあった人は自ら線路に飛び降りたのか、押されて落ちてしまったのか。

これから電車に乗るときにちょっと想像力が増してくれそう。
この小説の収穫かもしれない。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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2018. 01. 08  
元に戻すには3倍の時間がかかる。


ジャーナリスト池上彰氏と、比叡山のお坊様・酒井住職の対談、
『この世で大切なものってなんですか』です。




比叡山のお寺で、2人がゆったり会話されているのが心地良かったです。
お話のなかで、「そういう目でもって生きていくのか~」と感じたところを。



元に戻すには3倍の時間がかかると、長い目で構える


このお話に入る前に、酒井住職が行った修行「千日回峰行」について説明します。

約7年かけて4万キロ歩く荒行です。
「歩く」といっても、山の中です。
7年で4万キロ歩くとはどういった時間・距離なのかというと、
1日16時間歩き(ほぼ毎日)、地球1周するようなものだそうです。

そして千日歩いた最後の仕上げに、「お堂入り」とよばれる修行。
これが一番きついそうです。

お堂に九日間こもり、
断食、断水、不眠、不臥で不動明王の真言を10万回唱えます。


水も飲めないんですから、医者は「ムリ、死にますよ」と必ず言います。
でも、やっちゃえるそうです。
人間にはすごい力が秘められているんだ・・・。


そんな「お堂入り」も無事終わり、満行となります。
食事も普通にとれます。


が、この回復の過程が・・・・。
お堂から出て、1日目は甘酒の上澄み少々、うがい、氷水の溶けたものを少々。

これしか食べない(飲めない)そうです。

2日目はコップ1杯のお水とおもゆを少々・・・。
少なすぎるように感じます。


お寺の昔からの言い伝えで、
自重しながら3倍かけて身体を元に戻しなさい」とあるのです。


お堂にいた九日間の3倍、27日間で、少しずつ時間をかけて身体を戻す。


九日間飲まず食わずになっていた体内はどうなっているのか?
腸はねばねばになっているため、
いきなりたくさんの水を入れると、腸は裂けてしまうそうです。


腸が裂けるというのも恐ろしいものですね・・・。

良くなる状態に戻すには、かけた時間の3倍かかるのか。
悪くなるのはあっという間なのにね。


じゃあ、あれかな。
暴飲暴食を10年続けて身体を壊してしまった人は、30年かけて身体を元に戻していく。
これだけの根気が必要ってことですよね。


うげェ~・・・・ってうんざりしてしまいそうですが。
酒井住職はこう語ります。

「すべてにわたってものごとの回復には3倍かかると知っておく。
いろいろ困難があっても、3倍かかるけれど、いずれは元に戻っていく」


対談の中で、日本のことを語るのですが、
「戦後の日本が忘れかけた道徳観や秩序などを、もういっぺん見直そうとなると、200年以上は経たないといけない」

長い目で考えていく、子ども・孫・次世代のために。


覚えておきたいなと想います。
回復するには3倍の時間がかかるって。
うんざりする時間の先に、回復した良い状態のものが現れるって。





「大切なものってなんですか」の問い、酒井住職のこの言葉が答えになっているかなと思いますので、それを紹介して終わります。


「行いひとつでしょうな。
いいことは進んでやって、悪いことはやらないようにする。

むりせず、急がず、はみださず、りきまず、ひがまず、いばらない、ですな」





今日も最後まで読んでくださってありがとうございました
成人の日ですね。彼らが
「むりせず、急がず、はみださず、りきまず、ひがまず、いばらない」を実践していけるといいですね。
・・・ってまずは20歳以上のオトナから実践か~(笑)


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2018. 01. 06  
怖さは耐えられるが、寂しさは耐えられない。


43年間、洞窟や川っぺりで過ごしてきた人の自伝、
『洞窟オジさん(加村一馬:著)』を読みました。



2015年にドラマ化されていたそうで、ご存知のかたも多いのかもしれません。
私はこの本を読むまでまったく知りませんでした。


昭和21年生まれの加村さん。
親の虐待から逃れるため、13歳で家出します。

まずは足尾銅山の洞窟で生きることを選びました。
罠をしかけて野生動物・虫を獲り、山菜を採って生きていきました。

食べるものが減ってきたり、諸事情があるたびに住まいとなるところを変えていきます。
栃木、新潟、福島、群馬、山梨などの山や川で。
人を避けて生きていきます。


平成15年、あまりの空腹に耐え切れず、自動販売機の小銭を盗もうとしていたところを捕まり、サバイバル生活に終止符が打たれました。

警察に連れて行かれたとき、いろんな近代化にあわてふためく加村さんを見て、
小野田寛郎さんよりすごい生活をしてきた男」として騒がれたのでした。



虐待から逃れるためとはいえ、壮絶な人生ですよね・・・。
読んでいてわかったのですが、普通の生活・社会に戻れる機会は何度かあったんです。
それなのにそうしなかった。


時代が変わってゆくにつれて、山の中で人と出会うことが度々ありました。
すぐそばを道路が出来て、駐車場ができて、お店ができて。

洞窟オジさんの仕留めた魚や山菜を「売ってほしい」という人が現れます。
オジさんは食べ物やお金を受け取ることができるようになりました。

ちょっとした商売ができるようになったんですよね。
その中で出会った良い人について行くことができたはずなんです。

ところが洞窟オジさんはそれをしなかった・・・できなかったんですよ。

人を信じるということができなかったから。


親からの虐待、学校でもいじめられていたそうです。
オジさん、ひらがなを読むことだけはなんとかできていたみたいですが、あとはさっぱり。
漢字も全然読めないし、字はまったく書けない。
時計のみかたもわからない。
お金の価値もわからない(おつりもわからなかった)。

おかしくないですか?
13歳までは学校に通っていたのに。
きっと授業をまともに聞いていられる状態じゃなかったってことですよね。

最大の心の傷は、父の折檻を母が手伝うようになったことでした。


自分が人を信じても、もしかしたら裏切られるかもしれない。
優しかった母が自分を折檻するようになったみたいに・・・。
そんなことには、自分はもう耐えられない。

そう思ってしまって、その人から場所から逃げてしまうんです。


いったい、どんな皮肉なんだろうと思います。

東大や京大、大企業に入れる知識があっても、生きる力がなくてはいけないと叫ばれる現代。
生きる力と知恵がたんまりあるのに、寂しくて死にたくなる人がいるんです。

洞窟オジさん、死のうとしたこともあるんです。
寂しくて。
「怖さは耐えられるが、寂しさは耐えられない」
人恋しいのに、人を避けてしまう自分がどうしようもなくて。

人間ってどんだけややこしいんだろう・・・。

いじめや虐待が人の人生を変えてしまうほどの傷をつくる。
本当に本当に、虐待はダメだと、心底思いました。


サバイバル生活時代の部分もおもしろいんですが、私は捕まってからのエピソードが楽しんで読めました。
ある人の紹介で、障がい者施設で働くことができるようになった洞窟オジさん。

人と関わって生きてこなかったからでしょうか。
相手の立場を考えるということも希薄、というのか。
幼い子どものような自分勝手に見えるところもちょくちょくあります。

しかしそれもだんだん、人とうまく付き合えるようになっていきます。
なにより最後のオジさんの言葉がよかった。


おれは今、いろいろな人たちの心の温かさを感じながらお世話になって生きている。
今までひとりで生きてきたおれにとって、今の生活は人に支えられ、助けられている。
昔みたいに、ひとりぼっちじゃないってことだ。

(中略)

今の幸せな生活をもうしばらく楽しみたいんだ。
そのためには人のため、自分のためにも懸命に仕事をしてみようと思う。
おれ、がんばって生きてみるからさ。



人らしく生きることを楽しんでいる今の洞窟オジさん。
よかった~。



洞窟オジさんがつくるブルーベリーが大人気で、毎年あっという間に売り切れてしまうそうです。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます

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2017. 04. 24  
あるブログに、次のような言葉が紹介されていました。

五つの言葉  堀田庄三

お おこるな
い いばるな
あ あせるな
く  くさるな
ま まけるな



堀田庄三氏は、「住友銀行の天皇」と呼ばれた人物。
その方の名言が、入社式や校長先生の朝礼などで
しばしば引用されているようです。
意外と有名なんですね、知りませんでした~。


頭の文字を読んだら「おいあくま」
自分の心にいる悪魔に話しかける感じですね。

怒るな、威張るな、焦るな、腐るな、負けるな

これらの感情は、心が浮き足立つ、
自分のうちにある「迷い」の象徴だそうです。


確かに、上がってるというか沸いてるというか、
平常心から離れてしまっていますよね。

これらの感情が出たときに、五つの言葉を思い出す。
五つの中身を忘れてしまっても、

「おい、あくま。
どうした?ちょっと落ち着けよ」

こんな風に自分の内にいるあくまに話しかけ、
馬を「どおどお」と落ち着かせるように、
心をポンポンと、なだめるようにしたらいいんじゃないか。

そんな言葉ですね。



これとは真逆の五つの言葉もありました。

さ さわやかに
あ あかるく
ほ ほのぼのと
と ときめいて 
け けんきょに


さあほとけ」です。
爽やかに、明るく、ほのぼのと、ときめいて、謙虚に

これらは「真の喜び」を表しています。
いいですよね。
いつもこんなふうにいられたら。

いつもは「さあほとけ」、
心が浮き足立ってるときは「おいあくま」



最近は「おいあくま」に「ね」が加わっているそうな。
ね ねたむな

妬むな

ごもっとも、
でもどんどん増えていきそうですよ、言葉が。
あんまり増えても忘れちゃいます。



今日もありがとうございました!ヾ(・∀・)ノ

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2017. 04. 17  
このブログでは珍しく好評の「ちりつもばあちゃん」、
今回は、第2弾、
『99歳ちりつもばあちゃんの幸せの道しるべ(たなかとも:著)』



こちらから、人を育てる知恵を紹介します。



待てば待つほど、子は早ぉ育つ




著者の子どもが中学生くらいになった頃、
ちりつもばあちゃんがこう語ります。


「なんでも親がやってたら、ろくな人間にならん。
本気で待ってやったらええ。

手も出さず、口も出さんと、じっと待つ。
待てば待つほど、子は早ぉ育つ」




自分が親をやってみて痛感しました。
それは、「自分でやったほうが早い」ことが多いこと。

でもそれは、自分で自分のことが出来ない人間をつくることになるよと、
ちりつもばあちゃんは教えてくれます。

待つのって、けっこう辛いんですよね。
できれば待たずに済まそうとしているんです。



ちょっと話が変わりますが、
お醤油って、いろんな種類が売られていて、
値段も全然違います。


あれ、値段の高いものほど、
原材料が少ないんです。

お醤油を作るのに必要な材料は、
大豆
小麦


これだけです。
それなのに、値段は高い。


いっぽう、安いお醤油には、
アミノ酸液
糖類
アルコール
調味料
カラメル色素
甘味料(ステビア、甘草)

などが入ってます。

大豆も「脱脂加工大豆」なんて表記されてます。


普通に考えたら、
いっぱい材料が使われているほうが高くなって当然じゃないですか。

なんで材料少ないものが値段高いの?


それは、作るために「時間」がかかるから。
手間ひまと言ってもいいですけど。

とにかく、時間がかかる。


私たちは、時間にお金を払ってます。

それが悪いとかは思ってません。
自分でお醤油作ってられませんもの!

誰かが一生懸命作ってくれたものに
それに見合ったお金を払う。

それはとても健全な社会です。

でも、人を育てることに当てはめてしまっていいのか。
そこは、手を出すのをやめ、口を出すのをやめて、
考えなきゃいけないな。

作物なんかでも同じかもしれませんね。
早く大量に収穫したいからと
あれこれ肥料をやったりいじくったり。

そんなことをしても、土がダメになったりしちゃいますよね。

なんでも、育てることには共通するのかも。
待つってことが。


お金で買えないものがあるとは、こういうこと。

それを、ちりつもばあちゃんは教えてくれてます。

第2弾もやっぱりいい本でした。
ばあちゃんの人柄が伝わってきて、あったかな気持ちになれます。





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Author:馬場亜紀
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座右の名は、『やってみなはれ。やらな、わからしまへんで』

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