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2020-05-25 (Mon)

まずは鳴らしてみよう、声を出そう

まずは鳴らしてみよう、声を出そう

学生時代以来の中島敦に感動した私ですが、(前回の記事   )才能ある人でもこんな苦悩があったのか、と感じたところがあります。光と風と夢・わが西遊記 (講談社文芸文庫)神のあやつる交響楽の中で俺は調子の外れた弦ではないのか?自分のことを肯定していない?才能に満足しきれていない?どちらにせよ、幸せな雰囲気ではありません。「調子の外れた弦」とは別の表現をしている箇所もあります。作品に比べて、悲しいことに、...

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学生時代以来の中島敦に感動した私ですが、
(前回の記事   )
才能ある人でもこんな苦悩があったのか、と感じたところがあります。


光と風と夢・わが西遊記 (講談社文芸文庫)


神のあやつる交響楽の中で
俺は調子の外れた弦ではないのか?



自分のことを肯定していない?
才能に満足しきれていない?

どちらにせよ、幸せな雰囲気ではありません。
「調子の外れた弦」とは別の表現をしている箇所もあります。

作品に比べて、悲しいことに、生活が(人間が)余りに低い。
俺は、俺の作品のだしがら



こういう思考に陥ってしまうことって、あると思います。
周囲とうまくやっていけない、
なんだか居心地が悪い、
引け目を感じてしまう、
自分の存在価値なんて・・・。

調子の外れた弦、なんてうまいたとえなんだろう。
オーケストラに参加し続けることを諦めたくなります。

それでも、
まずは音を出してみなければなりませんよね。

鳴らしてみて、
まわりと合っていない原因を見つけなければ。
鳴らせばどうにかなるのです。

プロのアーティストでも、テレビで歌うときに口パクするときがあるようです。
あるロックバンドは、ライブで録音済みの音源を流しているとか。
エアーギターならぬ、エアー演奏。

そんなの、見たくないんです。
間違っても、最高のコンディションじゃなくても、
リアルで聴きたいんです。

「楽器なんぞできねえよ」って人は合唱パートとして、
神のあやつる交響楽に参加しているんです。

誰もが、音を鳴らすか、声を出すかしている。
それが生きるってこと。

人間が楽器なんじゃない。
楽器を演奏する、演者であるってこと。
そして、まずは音を鳴らす。声を出す。

けれど、美しいハーモニーを奏でなければいけないのかな。
みんなと同じように奏でるのが好き、向いている人はいいけど、
そうじゃない人も多い。

そういう人は、ソロ向きなんですよね。
ユーミンとか、サザンの桑田さんって、
歌、うまいですか?
うまいかどうかより、あの個性的な声、歌いかたに魅力がある。
もちろん、詞も曲もいいんだけど。

現代は、ソロ活動で生き生きとしてる人が魅力的な時代です。


光と風と夢・わが西遊記 (講談社文芸文庫)

自己卑下に陥ってるスティーブンスンに、
自分の思いを投影していたはずの中島敦。
彼は鳴らし続けました。

何と云われようとも、俺は俺の行き方を固執して俺の物語を書くだけのことだ。
人生は短い。



「もっと書きたい、書きたい」と言いながら、33歳で病死しました。
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2020-05-24 (Sun)

『山月記』以上に美しい、『光と風と夢』

『山月記』以上に美しい、『光と風と夢』

教科書って罪深いものです。名作だからこそ、学校で学ぶのですが、「難しいものだ」というイメージも植え付けられてしまいます。私にとって、中島敦の『山月記』がそうでした。「漢文調」の文体。他の作品まで読む気がしませんでした。しかし、ある本に、「想像だけでここまで自然の美しさを表現できるとは!」とあり、ダメ元で読んでみたのが、ハマりました。『光と風と夢(中島敦:著)』です。光と風と夢・わが西遊記 (講談社文...

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教科書って罪深いものです。
名作だからこそ、学校で学ぶのですが、
「難しいものだ」というイメージも植え付けられてしまいます。

私にとって、中島敦の『山月記』がそうでした。
「漢文調」の文体。
他の作品まで読む気がしませんでした。
しかし、ある本に、
「想像だけでここまで自然の美しさを表現できるとは!」とあり、
ダメ元で読んでみたのが、ハマりました。

『光と風と夢(中島敦:著)』です。


光と風と夢・わが西遊記 (講談社文芸文庫)


南の島・サモアでトラに変身した男の生涯を日記形式にしたものです。


ウソです。ごめんなさい。
『宝島』『ジキル博士とハイド氏』などで有名な作家・スティーブンスンが、
サモアでの暮らしを日記に綴った、という形式にした小説です。

すごいです。
苦手意識や偏見すらもっていた私が、魅きこまれてしまいました。
自然の美しさをここまで表現できるとは!

中島敦がこの作品で目指していたものを指す一文があります。

死の冷たい手が彼をとらえる前に、
どれだけの美しい「空想と言葉との織物」を織成すことが出来るか?


どんな「織物」があったのか、いくつか紹介します。

豪華な此の緑の世界の、何という寂しさ!
白昼の大きな沈黙の、何という恐ろしさ!



暁方の四時頃、眼が覚めた。
細々と、柔らかに、笛の音が外の闇から響いて来る。
快い音色だ。和やかに、甘く、消入りそうな・・・
あとで聞くと、此の笛は、毎朝きまって此の時刻に吹かれることになっているのだそうだ。
家の中に眠れる者に良き夢を送らんが為に。
何たる優雅な贅沢!



早く、あの・空中に何時も緑金の微粒子が光り震えているような・
輝かしい島へ帰りたい。



此の朝の快さ。空の色の美しさ、深さ、新しさ。
今、大いなる沈黙は、ただ遠く太平洋の呟きによって破られるのみ。




そして、死ぬ2日前の日記には、

凡て、繻子の光沢を帯びた、其等の、目も眩む色彩に染上げられた。
金の花粉を漂わせた朝の空、森、岩、崖、芝地、椰子樹の下の村、
紅いココア殻の山等の美しさ。
一瞬の奇蹟を眼下に見ながら、私は、今こそ、
私の中なる夜が遠く遁逃し去るのを快く感じていた。


中島敦は、サモアに行ったことはありません。
しかし、パラオには仕事で滞在していたことがありました。

サモアは南太平洋上にあって、
オーストラリアやニュージーランドの近く。
パラオは太平洋上にあって、
インドネシアやフィリピンの近く。

北半球・南半球の違いはあるとはいえ、同じ南の国。
想像しやすかったんでしょう・・・って、
中島敦が『光と風と夢』を書いたのは、パラオに行く前!!

なんてこった。
なんかもう、「書ききった」という凄みさえ感じられます。

中島敦はパラオから帰国して、『光と・・・』の題名を変更し、
(もともとは「ツシタラの死」でした)雑誌に掲載されます。
そして1年もたたずに亡くなってしまっています。

死の冷たい手が彼をとらえる前に、
どれだけの美しい「空想と言葉との織物」を織成すことが出来るか?



中島敦の織り成した言葉は、とんでもない美しさをもって、
「漢文調イヤだー」の私を感動させてくれました。

光と風と夢・わが西遊記 (講談社文芸文庫)


ぜんぜん漢文調じゃなかった。
サモアの土地で暮らす人々が、白人から搾取されまくってる様子などもよくわかります。
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2020-05-23 (Sat)

スマホを観たら「浮き輪肉」がつく。

スマホを観たら「浮き輪肉」がつく。

今日は本から離れて、普通の日記です。記事を書こうにも、首が重くてやる気がでません。最近、早朝覚醒します。不眠症?思い当たることがひとつありました。タブレット(スマホ)に向かう時間が増えたこと。緊急事態宣言から、紙の本に出会う回数が減り、もっぱら電子書籍を利用中です。画面を見るしんどさには慣れてきました。しかし、首が重い。肩も重い。ひっきりなしに目薬をさす。起きてすぐにブログ記事を書くのも、今日はや...

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今日は本から離れて、普通の日記です。

記事を書こうにも、首が重くてやる気がでません。
最近、早朝覚醒します。不眠症?

思い当たることがひとつありました。
タブレット(スマホ)に向かう時間が増えたこと。
緊急事態宣言から、紙の本に出会う回数が減り、
もっぱら電子書籍を利用中です。

画面を見るしんどさには慣れてきました。
しかし、首が重い。
肩も重い。
ひっきりなしに目薬をさす。

起きてすぐにブログ記事を書くのも、今日はやめました。
なんか、速効性のあるストレッチないかなあ・・・。
またもやスマホで検索してるところが(;´д`)トホホなわけですが、
そんなこといっていられません。

雑誌『ゆほびか』にストレッチ特集がありました。


ゆほびか2020年5月号 [雑誌]


なになに?
スマホを見すぎると、首の後ろがわが伸びきって、
いわゆる「ストレートネック=スマホ首」になる。

これは、首の疲れ・目の疲れ、肩こり、頭痛を起こす。
さらに、自律神経の乱れや、姿勢が崩れることによって、
わき腹に「浮き輪肉」がつく原因にもなっている。

(゜〇゜;)(゜〇゜;)うぎゃぎゃぎゃ

なに、この「風が吹けば桶屋がもうかる」てきな。
「中国のコウモリが世界パニックを起こす」てきな。
こんなバタフライ効果があっていいのでしょうか。

文句いっててもしゃあないですね。
ほっといたら「浮き輪肉」になるなんてゴメンやわ。
ストレッチストレッチ・・・・。
ありました。

楽ゆる式 「首こり」と「目の疲れ」に効くストレッチ
クリックすると動画に移動します。
動画ぜんぶ観ても5分少々です。
ストレッチ自体は30秒で終わりますし、すぐ覚えられる簡単なものです。

自分でやってみて、まずは、
目がスッキリしたことに感動でした。
まぶたも疲れてたんや!?みたいな。
首の動きも、つっぱるような痛みがなくなり、重さが解消しました。

私、毎日夕食のあとは、動画を観ながらストレッチや体操をしてるんです。
30分から40分くらい。
だから、体のケアはしてるほうだと、自分では思っていたんですよね。

けれども、
疲れをためる前に、ケアをする。
こまめにする。

このほうがよっぽど大切なんだと実感した次第です。

さあ、首・肩が軽くなったところでこの記事を書いているし(22日の夜です)、
これから『すごいストレッチ』を観ながら体操します!


職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ


結局、電子書籍?
だって、紙の本だと、開いて置けないじゃないですか。
あれ、ストレスなんですよー。
文庫本とか電卓とか本に乗せてても、
真ん中に置いたら写真が見えないし、
はしっこ狙って乗せたら、だんだん本が閉じてくるし( `Д´)/モウッ!

スマホやタブレットを使いながら、
こまめにケアします。
みなさんも、首の疲れはありませんか?
簡単に、ちょくちょくケアできる方法で体を大切にしましょうね。

雑誌『ゆほびか』、『すごいストレッチ』、
両方ともAmazonアンリミテッド読み放題対象本です。
『すごいストレッチ』のイラストは、
既存のストレッチ本とは違った角度から体や筋肉を描いてくれていて、
わかりやすいですよ。
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2020-05-22 (Fri)

言葉が音楽みたい。『こといづ』

言葉が音楽みたい。『こといづ』

本の推薦文や、帯コピーっておおげさなものが多くないですか?信じて読んでみたら、期待はずれだったり、自分とは合わなかったり。今回は、推薦文が「そのとーりや!」と思えた本を紹介します。『こといづ(高木正勝:著)』です。こといづ雑誌『ソトコト』に連載されていたエッセイをまとめたものです。音楽家の高木氏の文章と、奥さまの挿し絵で構成されていて、絵本のような柔らかい印象を受けます。さて、どんな推薦文だったの...

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本の推薦文や、帯コピーっておおげさなものが多くないですか?
信じて読んでみたら、期待はずれだったり、自分とは合わなかったり。

今回は、推薦文が「そのとーりや!」と思えた本を紹介します。
『こといづ(高木正勝:著)』です。

こといづ


雑誌『ソトコト』に連載されていたエッセイをまとめたものです。
音楽家の高木氏の文章と、奥さまの挿し絵で構成されていて、
絵本のような柔らかい印象を受けます。

さて、どんな推薦文だったのか?

なんだこの文章!
これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか?
家や森や草や風が書いたんじゃないのか?
すごい人だ。
    吉本ばなな



絶賛です。
そして、絶賛に値する文章でした。

音楽家が、音楽を言葉にしたらこういうふうになるのか、って感じ。
すべてのものに、脈動と拍動を感じてるというか。

高木氏のこと全く知らなくて、調べてみたら、
映画音楽で有名なんですね。

「おおかみこどもの雨と雪」
「バケモノの子」
「未来のミライ」などなど。観た人も多いのでは?

なので、本よりも音楽を知るほうが、
本の内容を説明できるような気がします。
高木氏の文章って、一部を抜き出してもエッセンスが抜けてしまって、
どうにも紹介する表現方法が、わたしにはないので。

おおかみこどもの雨と雪

バケモノの子
※タイトルをクリックすると動画に移動します

聴き比べてみると、なんか似てるというか、
躍動感やリズムが「ああ!」ってなります。
「うれしい・楽しい・だいすき♪」が刺激される(それはドリカムやーん)。



こといづ

Amazonアンリミテッド読み放題対象本です。
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2020-05-21 (Thu)

死んだかれらの残したものは

死んだかれらの残したものは

死んだかれらの残したものは生きてるわたし生きてるあなた詩人・谷川俊太郎さんの「死んだ男の残したものは」の一節です。2020年は新型コロナウイルスという歴史的な出来事がありました。まだ終息はしていないけれど、混乱は落ち着いてきましたね。この出来事は忘れちゃいけないもののはずだけど、痛みやらなんやらが薄れてきそうで怖いです・・・。『最後の医者は桜を見上げて君を想う(二宮敦人:著)』です。最後の医者は桜...

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死んだかれらの残したものは
生きてるわたし生きてるあなた



詩人・谷川俊太郎さんの「死んだ男の残したものは」の一節です。
2020年は新型コロナウイルスという歴史的な出来事がありました。
まだ終息はしていないけれど、混乱は落ち着いてきましたね。

この出来事は忘れちゃいけないもののはずだけど、
痛みやらなんやらが薄れてきそうで怖いです・・・。

『最後の医者は桜を見上げて君を想う(二宮敦人:著)』です。


最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)



誰でもいつかは死ぬんだけど、明日だとは思っていません。
そのうちそのうちって・・・本気で死ぬと思わずに生きていく。
死ぬと思ったら、なにやっても意味などなくなってしまうから。
だけど、余命を宣告されたら?

治療をしなければ余命は○年でしょう。
この治療を受ければ5年生存率は何%。
うまくいかない確率は何%。

余命宣告と同時に、確率に追いたてられます。

この病気にかかる人は何%。
発症率は何%。
致死率は何%。
確率確率確率。人の命が数字に置き換えられていきます。

エンタメ小説に分類されるんでしょうけど、
楽しさはなく、患者の痛みが突き刺さってきます。
でも読むのをやめられないのでした。

「どこまで受け入れられます。
具体的にどこまでだったら、自分の命の対価に差し出せますか」


「命について真剣に考えたこともないのに、
死にたくないと病院に来て、医者にその命を委ねるのですか」



「不健康なことは・・・本当に不健康になったら、もうできないな」



命の価値はその『長さ』ではなく『使い方』にあるわけだろう?



これらの問いに、即答はできません。
読んでる間ずっと、父の死前後のことを思い出していたり、
今の世の中のことを考えてみたりして、疲れました。

とりわけ心に刺さるのが、医学部に入学したばかりの女性が残した言葉。

後で死ぬ人は、みんなの死を見届けるのが仕事。
先に死ぬ人は、みんなに死を見せつけるのが仕事。



それを見て・・・嫌な言い方ですけど・・・
みんなに辛い思い、して欲しいんです。
この世にはやり切れないことがあって、
逃れられない苦しみがあるんだと知って欲しい。



ただ苦しんでほしいと思っているわけじゃないです。
苦しみから、「じゃあこの苦しみを取り除くには?」
を考えるきっかけにしてほしいと願っています。
苦しみを知るから、新薬が開発されるんですよね。


読み終わったら日常に戻り、死から解放されました。
いつもいつも考えるのはムリ。
けれど、コロナ後をどういう態度で生きていくのか、
死んだかれらのことを忘れてはいけないんですよね。

感染で亡くなった人のこともだけど、
関連して変な事件が増えたじゃないですか。
「自粛警察(有罪ありきの態度は検察でしょ)」の恐ろしさも知りました。
経済がストップすることによる「死」も考えさせられました。

未来の世界が、今よりよくなってることを目指して。


最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

Amazonアンリミテッド読み放題対象本です。

この本のタイトルにピッタリの動画を見つけました。
辻井伸行演奏「春よ、来い」←クリックすると動画に移動します。
あらためて2020年の春を迎えたい気分です。
それにしても辻井さん、いつまでも少年のよう!
まさか、不老薬でも飲んでるのでは。売ってください。


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