2018. 05. 24  
人間だけが未来について想像できる動物。
<お先真っ暗~>
人間だけに悩みがついてまわります。
そんな悩みや漠然としたお悩みを、動物たちからアドバイスをもらってほっこり気分にチェンジしませんか。

動物たちのモットーは、「今を生きる!」
答えはとてもシンプルなのです。

『いきもの人生相談室(監修:今泉忠明)』
です。




家族・恋愛・仕事・学校・・・
悩みはいろんな場所・場面で日々発生中。

そんな人間たちに愛あるアドバイスをくれる動物たち(虫や鳥もいます)。
本のコンセプトが上手です。
動物の生態を、人間の悩みに合わせた試みが見事にハマっていて、本当にほっこりさせてくれます。


こんな感じなんです。

Q、お金があるとすぐ使ってしまいます。アラフォーなのに貯金0で将来不安です。

A、回答者 ”貯蓄の鬼” ニホンリスさん

「自分でも忘れるほどあちこちに貯めたら無駄遣いしたくてもできなくなります」



「分散貯蓄型」を勧めていらっしゃるのです。
でもこんなデメリットも告白。

「ちなみに僕は埋めたクルミのことをすっかり忘れて発芽させたり、ネズミに食べられることもしばしば(汗)」

私のおばあちゃんがまさにこうなっていました。
おばあちゃんが95歳のとき、家族みんなで会いに行きました。
もう何年ぶりだったろう?
つくしが元気よく伸びている季節、元気そうなおばあちゃんでしたが、どっかに行ってるな~と思ってたら戻ってくるなり、

「ごめんな~、お財布どこに置いたか忘れてしもて。
こんだけしかお小遣いあげられへん」

すまなそうに言って、ポチ袋を私と妹にくれたんです。
中身を見たら、500円玉が5枚。妹も同じ。

孫にお小遣いをあげたくて、一生懸命集めたんやなあ・・・。
でもおばあちゃん、500円玉を10枚も出せるところにもビックリなんですけど。

そんな思い出も残っていますねえ。
その500円玉たちはまだ手元に置いています。



47の人生相談があります。ほかには・・・

Q、単身赴任3年目です。私は妻子にお金を送るだけの存在なのでしょうか?のお悩みには、
 ”寡黙な働きマン” オオサイチョウさんが、
「私は妻と子の顔を見ることもできず、巣に入ることもできず、せっせとエサを運ぶ毎日。
しかしそれもまた家長の務め。がんばって家族を支えていきましょう」と励ましていたり。


「周囲の目が気になる」というお悩みには、「動かない鳥」で有名なハシビロコウさんが、
人の目は期待のあらわれかもよ、と違う視点を与えていたり、

「大学受験失敗は人生終わり?」という悩みには、狩りが苦手でいつも腹ペコ、虚勢を張っているだけというトラさんが、
ミジメな人生のようだけど、人生まだ終わっちゃいねえぞ、と励まして。


実をいうと、人生相談がメインの本ではありません。
この本は、動物の生態を知ってもらって、もっと興味を深めてもらうための取っ掛かりになる本、という位置づけです。

ですが、
動物の生態を悩み相談の視点に変えた、ユーモアのある文章。
シンプルながら情感が伝わってくる、センス光るイラスト。
巻末には登場した生き物がすべてカラー写真とデータで紹介されていて、ミニ図鑑がくっついているような仕上がり。


この本を作るための愛情、熱意が楽しい本として仕上がっている。
そこがいいのです。

出版社は「山と渓谷社」。この出版社が発行していたことにも驚き。
とんでもなくいいお仕事されています。


いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学


ほっこりできる本、誕生。
実際に触らなくても画面からや絵だけでほっこりさせてくれるパワーがありますね、動物って。

こちら、「動物界の釈迦」でほっこり♪(約2分のスライドショーです)





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2018. 05. 17  
愛玩動物としてこの世に生を受けながら、どうしてこんなみじめな形で死を迎えなければならないのでしょう。
どうして飼い主さんは手放すことができるのでしょう。

『犬房女子(藤崎童士:著)』
です。



熊本県の動物管理センターで働く女性二人を軸に、職員や飼い主たちとのリアルを描いたノンフィクション作品です。


動物管理センターに連れてこられた犬猫は、ガス室(通称、ドリームボックス)で殺処分されます。
この仕事、やりたくてやる人は、誰もいないのです・・・。

私も、どうしてもここしか働く場所がないとなっても、働こうと思えるかどうか。
できれば働く場所に選びたくないです・・・。


犬や猫が連れてこられる理由の半分は、迷子や野犬となったケース。
もう半分が飼い主の都合なんですね。

ペット禁止のマンションに引っ越すことになった。
入院しなければならなくなった。
ペットが病気になった(障害があることがわかった)。
吠えまくるので近所から苦情が来る。
エサ代がない。
ペットショップで強引に買わされた。
なんかカワイイから飼ったけど、やっぱり無理だ。
エトセトラエトセトラ・・・

悲惨な現場です。

ガス室に入る直前まで、犬たちは飼い主が迎えに来るのを待っているそうです。
目をキラキラさせて、管理センターの職員になついて。

でも、ガス室に入れられることが分かったとたん、パニックに陥り、
恐怖のあまり腰が抜けて歩けない犬や、倒れる犬もいるほどだとか。

それを無理矢理ガス室に放り込んで・・・。

職員も感情を殺さないとやっていられないし、
この本に登場している主人公の一人は、適応障害を発症し、退職しています。
(2017年3月に無事、復帰されたようです。)


ボランティアや動物愛護団体からの指摘を受けて、
センターが改善の方向へ歩んでいっていることはわかりました。

なるべく殺処分にしない。
なるべく飼い主が考え直して連れて帰ってくれるように。
せめて新しい飼い主が見つかるまで努力するように。

どうしても飼い主の都合で引き取らざるを得ない場合、
「もう二度と動物は飼いません」と署名させるようになっています。


それでも、殺処分される動物はゼロにはなりません。
しぶしぶ連れて帰った飼い主の「ネグレクト(飼育放棄)」が発生しているから。


結局、人がつらい仕事を作っているんですよね。

すべての動物の殺処分に反対・・・とも言えないんですよ。
愛護の気持ちからきてるならば、
外来種の駆除も反対になります。
実験動物は必ず安楽死させることに決まっているんですが、それも反対しなければなりません。
食肉はありえない、肉を食べることをやめるのが当然ですよね。

殺処分ゼロにしろ、と大きなくくりでは答えは出てこないと思うんですよ。


ただ、ペットを大切に飼うということは、最後まで一緒に暮らすこととイコールだということ。
これだけは、もっと浸透していくべきではないでしょうか。



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長くなるので読めるかただけ・・・

学校に行って、「動物とのふれあいかた教室」を開催するのもセンターの仕事だそうです。
どんなことをしたら犬を怒らせてしまうのか、とか。
最期まで飼うということがどれだけ大切かということを伝えるもの。

センターの人が子供たちに読んでいる絵本、
ハッピー」を紹介します(市販のものじゃなさそうです。手づくりかな?)。


二人の青年がいました。
それぞれが同時にハッピーという名前の幼い犬を飼うことになりました。
最初の頃二人は子犬のハッピーをとっても可愛がります。
散歩に連れて行ったり一緒に寝そべってあげたり
汚れたらシャンプーしてあげたりします。

でもハッピーが大人になったらそれぞれ違いが出てきます。
一人の青年Aはずっとハッピーを大切に可愛がります。
もう一人の青年Bは面倒くさくなったのかだんだん可愛がらなくなります。
散歩も行かなくなり病気になっても病院にも連れて行かなくなって
どろんこに薄汚れても洗うことすらしなくなります。

それから年月がすぎ老犬になった二匹のハッピーが最後に死んでしまうとき
可愛がられていたほうのハッピーは自分を幸せだと思います。
可愛がられていないほうのハッピーは幸せだったのかなって疑問に思います。

やがて二匹のハッピーは天国に行きました。
可愛がっていたほうの青年Aは悲しみます。
もう一人の青年は、ぜんぜん悲しみませんでした。

それからまた何年も経って
青年たち自身も最後のときが訪れます。
神様はこう二人に言います。
あなたの行いをずっと見てきました。
よいことも悪いこともすべて自分自身に返ってきます。
それは次の人生でわかるでしょう。

犬として生まれ変わった二人の青年は
それぞれどちらのハッピーになったと思いますか?


2018. 04. 23  
盲導犬は、人が犬の犬生(犬の一生)を決めるという宿命をもちます。
そうだとすれば盲導犬の犬生に人が責任をもつのは、当然のことです。



『ハーネスをはずして(辻恵子:著)』です。



盲導犬が年老いて仕事ができなくなったら、引退です。
その後の盲導犬はどうなるの?

世界で初めて「引退した盲導犬の老犬ホーム」を作った、
北海道盲導犬協会の辻さんが記した本です。


引退した盲導犬は、ボランティアで引き取ってくれるかた(登録制)に預けるか、
パピーウォーカー(盲導犬が幼い頃のお世話を担当する人)が引き取るケースがほとんどだそうです。


約10年、盲導犬として働いた犬は、
引退後数年で亡くなるのが普通です。

看取りをしなければいけません。
辛い仕事だとは想います。

それでも、残りの犬生をのんびり安らかに過ごしてもらいたい。
その思いで老犬ホームができたのでした。


これまで盲導犬に関して、あまりいい情報が入ってこなかったんです。

飼い主が見えないのをいいことに、
電車内で盲導犬の顔に落書きするいたずらだとか・・・

最悪だと怒りが湧いてくるのは、
生き物を飼う資格がないような人が盲導犬を飼うケース。


犬は働いてくれるけれど、24時間働けるわけじゃないですよね。
遊びの時間も必要だし、トイレだって行かせてあげなければ。

当然だと思うんですが、中には犬を召使や奴隷のように扱う利用者がいるらしいのです。

最初に盲導犬を渡す際、
「この人には生き物は飼えない・・・」と分かることもあるそうです。
やんわりお断りしようとしても、
本人が使いたいと希望したら、断ることはできない仕組みになっているのだとか。

犬が不憫すぎるのです・・・。

そんなことを知っていたので、
今回この本でのどかな余生を過ごせている犬がいるということで、
ホッとさせてもらえました。


長いあいだ、ごくろうさま、ありがとう。
これからはゆっくり過ごしてくださいね。
ずっとそばについていますよ。
うんと甘えてくださいね。




こんな想いをもって犬の最期までを責任もってお世話する人たち。

運営は苦しいというか、財源がですね。
運営を支える資金の80%は、寄付金と募金。
残りの20%が、公的機関からの補助金です。

善意でどうにかやってきている、というのが現状です。

善意がこんなに集まっている、ともいえますよね。
まだまだココロ優しき人々がたくさんいるのです。

盲導犬だけじゃなく、人間とともに暮らした生き物すべてに、
人は最期まで責任を持つのが当然なんですよね。

人も生き物も、のどかな中で逝けたらいいなあ。



どのような老後の生活と看とりをすれば、盲導犬も人も幸せになれるのかがはっきりとわかれば、
それは、どのように生きると盲導犬も人も幸せに生きられるのかということと同じことになるはずです。
(中略)
ひとり、ひとりがかかえる問題は、だれもが、いずれはかかえる、
みんなの共通の問題なのだと思います。



老犬のお話だけど、人間の問題とも関わってきています。
人生の最期の迎え方の、ひとつの解決方法を示してくれていると感じます。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
☆今週コメント欄閉じますね。

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2018. 03. 30  
人間を知るためには、人間以外のものから人間を見つめないと、
人間の定義はできん。



『たけしの面白科学者図鑑 ヘンな生き物がいっぱい!』です。



ビートたけしと生き物の研究者たちとの対談本です。
シロアリやダイオウイカまで登場していて、生物への興味第一ステップとなります。

その中で、「ゴリラから人間関係を学ぶ」を紹介します。
「ゴリラ先生」として権威ある山極先生が登場。

冒頭の言葉は、先生が大学に入ったときに教授から言われて「そうかも」と納得したもの。
先生は人間はどんなものだと知ったのか?


動物のなかで、ゴリラやオランウータンは人に最も似ているそうです。

ゴリラって、楽しいと笑うんですって。
サルや犬や馬が歯をむき出して笑っているように見えるものと全く違うのだと。

それにゴリラのオスは理想の父親像そのもの。
子どもがなにをしようが、動じないのです。
動じないけれども、子供に危険があると素早く動く。

もしかすると人間以上かもしれない・・・。


その反対に、人と決定的に違うところもあります。
ゴリラは劇やドラマを観ても意味が分からない。

空想とか、架空のものが理解できないのです。
それともうひとつ。


仲間と一緒に食べない。

人間はわざわざ食物を集めてきて、みんなで一緒に食べることを始めました。
人間の社会性は、一緒に食べることをしながら、相手と気持ちを通じ合わせることで養われてきたのです。


このお話、先日紹介した『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』にあったんですが、
ゴリラに限らず、動物と人間が決定的に違うところ。それは、

赤の他人に食べ物をあげる。

人間だけなんだそうです。
家族以外の人間に、「どうぞ」と自分の食べ物を分けるのは。


つまり、「思いやり」があるということなんです。

この話で、子供に「個食・孤食」はよくないという食育が証明されるなと思いました。
大人になってから、自分の意思で、
一人で食べることを選ぶのはいいんですよ。

問題は、ごくごく幼いころから一人で食べるのが習慣になっていること。
そういう子は、共感するとか、思いやりとかを学ぶ機会が極端に少なく育ってしまう。

悪い言い方だけれども、人間らしさがない、と言えるんじゃないかな。

人が「人らしく」あるために。
誰かと一緒にご飯を食べることで養われる。

そんな簡単なことが難しくなってきてる社会があるんだな・・・。

暗くなっていてもどうしようもない。

誰かと一緒に食卓を囲む。
フツーの光景が、実は人間らしさを生み出すものであること。

そう思うと、日々のやかましいにぎやかな食卓も、人間らしさを養うためになってるな~と、それを出来る毎日に感謝したくなります。



人間以外のものから人間を見つめる。
人間のおかしさが見えてくる。




今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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2018. 03. 07  
「南極第一次越冬隊のみなさま
ねこは えんぎが いいそうです
どうぞ ごぶじで つつがなく
つめたいこおりの せいかつで
さびしいときも あるでしょう
いらいらする日も あるでしょう
 そんなとき
きっと このこは みなさんの
やくに たって くれるでしょう」


野良の子猫を拾った心優しき動物愛護協会の人が、
こんな手紙を送りました。

子猫は、南極に行きました。
20世紀に南極に生きた、地球でただ1匹のネコ。

『こねこのタケシ 南極大ぼうけん(阿見みどり:作)』です。



ノンフィクションの絵本です。
南極第一次越冬隊といえば、タロ・ジロで有名な、あの隊です。

実はあの南極へは、子猫も行っていたのです。

どんな猫だったのか、少ない写真が公開されています。
ぜひ、ご覧ください。→南極へ行ったタケシ

子猫は「タケシ」と名づけられ、隊員たちと共に過ごし、いかにも幸せそうです。


ネコならば
いぬには できないことがある
ネコしか できないことがある
 つかれた たいいんの ひざにきて
 ふるえる たいいんの ねぶくろで
やさしく こころを なごませる



仕事をするわけでもなく、
実験台になるわけでもなく。

ただ、人間をなごませるためだけに共に過ごした。

これってすごいな~と想うんですよ。
南極への荷物というのは、ギリギリまで減らしておきたいものです。
ネコのエサを余分に積むならば、犬のためのエサや人間の食料を増やせたはずなんです。

それにもかかわらず、ネコを連れて行った。

人間って、どこに暮らすにしても、動物と一緒がいいと願ってしまう生き物じゃないかと感じました。
そういえば月へ行くロケットにも、犬や猿を乗せていたんでしたっけ。
実験という名目だったとしても、
なごませてもらうために、という理由もけっこう大きかったんじゃないかなと想像します。

ペットブームということもあり、動物は身近な存在ではありますが、
もっともっと大事にしていくパートナーでもありますね。

いなくなったら、どんだけ淋しいことか!




絵本にしているということで、子供への作者のメッセージも含まれています。
野良猫が南極で人間を癒す存在になれたというところで、

生まれたときから神さまが、どこかに何かを秘めごとで、
ひとりひとりにプレゼントしてくれています。
”何か”を見つけたら、一つだけでいいと思うのです。
のびのびと自然のままに花開かせて、
明るく”一番”と叫んでください。



なんてことないその人らしさが、人のお役に立てている。
それは信じてくださいね・・・
古い絵本なんですが、今の子どもたちにも読ませてあげたいです。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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プロフィール

馬場亜紀

Author:馬場亜紀
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本の中の心に刺さる一文をご紹介いたします。
看護師免許をもっていますが、今は保育の仕事をしています。自身の子育ても真っ最中。
くわしくは「自己紹介」をご覧いただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします☆

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