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自分を卑下してはならない、「100歳のジャーナリストからきみへ」

2017.11.30(06:55) 500

人間は正札で生きなきゃ。


『100歳のジャーナリストからきみへ 育つ(むのたけじ:著)』です。



100歳のジャーナリスト・むの氏から子どもたちへのメッセージ集です。
むの氏は2016年に101歳でお亡くなりになっています。


どの言葉も子どもたちへのエールとなっていますが、私が一番心に残った言葉が、冒頭の、
「人間は正札(しょうふだ)で生きなきゃ。」でした。


正札とは、かけ値なしの値段で書いた「値札」。
その物に見合った正しい値段のことです。
「正札で生きる」とは、ありのままの自分を見せ、正直な思いを語るということです。

よく見せようとするのでなく、自分はダメだと卑屈になることもなく、
一人の人間として、堂々と自分の思いを語れる人になりましょう。




心理学に、「ディスカウント」という言葉があります。
ディスカウントストアという、あれと同じですね。
むの氏はこのことをおっしゃっているんだと思います。

ディスカウント=値引き

詳しいことはわからないんですが(勉強不足ですみません汗)、ざっと書いてみると、

相手をディスカウント(値引き)するというのは、
無視する、
バカにする、
できることに手を貸す、
アドバイスしない
、などの行為を指します。


自分をディスカウント(値引き)するというのは、
自分のカラダを大切にしない(暴飲暴食、過労なども含みます)、
「私なんて・・・」「どうせ・・・」というのが口ぐせ、
褒められても、「私にはそんな価値はない」と想ってしまう
、などなど。



過度に自分をディスカウントして見ていたころもあったなあ・・・。
正札で生きるって、いつまでも覚えておきたい言葉。



商品のディスカウントは大歓迎の私ですが(賢い買い物をしたい!)、
人間をディスカウントしてはいけないんだ。
自分も相手も、値引きさせず、安売りせず、ぼったくり(見栄をはる)せず。


気にかかる言葉です、「ディスカウント」。
子どもにも伝えていきたいです。




むの氏からのエールで終わります。

おのれをはげます最後の言葉はこれしかあるまい。
「この地球に、オレはこのオレだけだ。がんばれよ、オレ」




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がんばっているあなたに「木曜日にはココアを」

2017.11.29(06:55) 499

わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている。



『木曜日にはココアを(青山美智子:著)』


毎週木曜日にやってくるお客さんに恋するカフェの店長のお話から、どんどん次のお話では別の登場人物が主人公を務めていく連作短編集です。

初めて息子のお弁当をつくるお母さん。
古株の教諭や保護者に疲れる新人幼稚園教諭など。

ここでは第10話の「あなたに出会わなければ」を紹介します。


憧れだった翻訳の仕事をしている女性。
絵本の翻訳をしていたときのことです。



目を白黒させる、と書きかけてわたしは「あっ」と声をあげた。
出版社から依頼されたイギリスの絵本を翻訳している最中のことだ。
主人公は青い目の西洋人という設定だった。

びっくりしているさまを表現したかったのだが、青い目なのに白黒させるというのはおかしい。
ということは「ワシの目の黒いうちはそんなことは許さん!」なんてのも、通用しないのだった。

たったひとつの星の中で、色やサイズは違っても同じ形の人間という動物がどうしてこうも異なる言葉を使うのか。36歳になった今でも不思議でたまらない。
言葉さえ理解できれば、いろんなことがスムーズにいくだろう。
だけどわたしは、神様が地球人のコミュニケーションに少しばかりのやっかいごとを用意してくれたことに感謝している。
翻訳のよろこびを、この人生に与えてもらったからだ。





「目を白黒させる」が翻訳できない言葉だったなんて。
言われなければ気づかないところです。

簡単に、「サプライズ=驚く」でいいんだろうけど、日本らしさを出すには「目を白黒させる」という表現は深みが出ますね。
「ワシの目の黒いうちは・・・」なんてのも、「生きてるうち」だからなあ。



高校時代のことを思い出しました。
1年だけ受けた英語のえんどう先生。
えんどう先生は、なんというか・・・いつも自分の言ったことに自分で先に笑ってて、
「なにアイツ・・・キモいやん」みたいな先生だったんですよ。


ある日、補助教諭みたいに、本当の外国人(アメリカ人?オーストラリア人?忘れた)が来ました。
彼女を紹介するときに先生はこう言ったのです。

「彼女の家族は、全員、目の色が違うんだって。
すばらしいよね」
って。


家族の目の色が全員違う。
日本人からするとありえないですよね。
みんな、黒。もしくは黒っぽい。

髪もそうですよね。基本、黒。
元々の髪の毛が茶色い子なんて、男子生徒からすっごくからかわれて悩んでたこともありました。

大阪のどこかの府立高校では、もともと茶髪の生徒に対し、
「黒く染めてきなさい」と指導したってニュースが最近ありました。


その目的はなに?
そんなこと統一させて何になるの?
生まれつき持ってきた色がみんなと違うからって、何かを乱すの?

「家族全員の目の色が違うって、すばらしいよね」と言えたんだ、あの先生。

卒業してから今まで一度も思い出さなかったのに。
書くことって、こういう力もあるんですね。
思い出させてくれてありがたいです。


色やサイズや言葉が同じだったとしても、理解できるわけじゃない。
神様の采配は、とかく難しい。




「人知れず頑張っているあなたに、読んでほしい。
わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている」


ひとつの物語では主人公だった登場人物が、次の物語では脇役を演じている。
こういう連作モノは好きです。
すれ違う人だれにでも、人知れず頑張っているドラマが続けられていることに気づけるから。


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とっと de さっさと雑事をこなす

2017.11.28(06:55) 497

雑事が本業になる時代。


『とっと de さっさ(鷲田小弥太:著)』を読みました。



タイトルのイメージ通り、
とっととやろう、さっさとやろう。
このスピリットを語っている本でした。

その中に、「雑事が本業になる時代」の章がありまして。

雑事が本業に転化する時代ではないでしょうか?
サービス=消費社会になりました。
かつて家事に属した仕事がどんどんサービス業の仕事になっています。



料理は「外食」産業に。
家族の世話は「介護」に。

言われてみれば、保育の仕事もそうかも?
大家族の誰かが子どもを見るとか、近所の人が預かってくれるとかで事足りていたのが、
時代とともにそうはいかなくなったから、今、ものすごく必要とされる仕事になっています。


そしてこれは「AI」に取って代わられにくい仕事のように思います。


介護もそうですし、病院の看護もそうかな。
手術などの技術として、AIの活躍はどんどん増えていくと思います。
その技術の進歩が人間の体への負担が小さくなっていくということはすごく喜ばしいことです。

でも入院して、人じゃないモノに身の回りのことをやってもらったり、体調管理されるというのは、
元気を回復するという面ではどうかなと想ってしまうのです。
人とのやりとりで出てくるパワーってあるから。
逆に奪われるリスクもついてきますが(笑)。


だからこういった分野ではもっともっと人間の労働力が必要とされるだろうな。


これでいくと、AIに仕事を奪われる!と煽るニュースなどを見てもどうってことないんちゃう?って想うんですよ。

本来、人がやるには危険だったものとか、機械で出来るものが技術がやっと追いついて機械でやるようになるだけのことで。
人にしかできない仕事が、今はそれがなんなのか分からないけど、
「え?これが仕事になるの?」っていうようなものが、きっと人にしかできない仕事が増えてきて、選り好みさえしなければ人は仕事にあぶれることって少ないんじゃないかと。


その仕事こそ、「人らしい」仕事じゃない?って想う。


雑事をきちんと、手早くこなせる能力と、
人を人として接することのできる人柄が、
これから貴重価値になってくると想ってます。


というか、これまでが軽く見られすぎていただけなんだ。
当たり前のことに価値が置かれる世の中になっていくはず。



とっととやろう。さっさとやろう。
さあさあ気楽に。
イージーゴーイングで。

こんな精神を、とっとdeさっさと語られてます。
タイトルどおり、一つ一つが短く、さっさと読めました(笑)。


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ホタルをさがそう、山本周五郎「人ごろし」

2017.11.27(06:55) 496

蛍と蛇の眼は同じように光るそうだ。



この言葉は短編集『人ごろし(山本周五郎:著)』の中の、「雪と泥」の一文です。


本当に、ホタルの光とヘビの眼の光りかたは似ているそうです。
「ホタルを捕まえに行くなんて、ヘビに咬まれにいくようなもんだ」と言う人もいるくらい。


小説では、女性が男性を騙そうとしていたことを告白し、言われた男性が冒頭の言葉を思い出す、という場面でした。


現実でも、詐欺は横行していますね。
2017年度の全国の詐欺件数は、月平均で約1500件。
被害額は月平均で約30億円。

毎月、日本のあちこちで、総額30億円を騙し取られている1500人がいるということ。
先月は私の住む市でも、60代の女性が2000万円の詐欺被害にあったというニュースもありました。


詐欺なんてヘビ以下ですよね・・・。


昔、こんな会話をしませんでしたか。
ニュースで泥棒などの事件が報道されると、それを見ている親が、
「年末やからな~、こういう事件増えんねんな~」って言うんです。

なんで年末やと増えるの?

「正月にな、お餅くらいは食べたいな~って想うからな、やってまうねん」と。

今、こんな話でてきませんよね。
年がら年中、お金をむしり取るような事件ばっかりで。
もちろん騙すほうが完全に悪いけど、
騙されないために自分を守ることはやらないといけないですよね。



ホタルって、1年かけて成虫になり、
成虫になったホタルは、葉っぱについた夜露などの水を飲むだけで生きるそうです。
一週間。
わずか一週間で消える命だそうです。


邪悪な心がヘビの眼の光だとすると、
ホタルの光ははかない善い心にあたるかな。


はかないとはいえ、まだまだどこかにあるはず。
それを見つけていきたいです。





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意外な言葉が載っている、「翻訳できない世界の言葉」

2017.11.26(06:55) 495

言葉は、わたしたちが相手を正確に理解するのを助けてくれるし、
文化のちがいから絶えまなく生じる疑問を解決し、境界をこえさせてくれるのです。




『翻訳できない世界のことば(エラ・フランシス・サンダース:著)』です。



りんご=アップル のように、一語対一語にできない言葉を集めた本。
いくつか紹介したほうがわかりやすいと思います。
(言葉の下の文章が意味を表します)



コンムオーベレ(イタリア語)
涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる。


モーンガータ(スウェーデン語)
水面にうつった道のように見える月明かり。


キリグ(タガログ語)
おなかの中に蝶が舞っている気分。たいていロマンチックなことやすてきなことが起きたときに感じる。


ティーマ(アイスランド語)
時間やお金があるのに、それを費やす気持ちの準備ができていない。


クンマーシュペック(ドイツ語)
直訳すると、「悲しいベーコン」。食べすぎがつづいて太ること。


ドラッヘンフッター(ドイツ語)
直訳すると、「龍のえさ」。夫が、悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント。



ドイツ語はおもしろいですね。
クンマーシュペックは、日本語で言うと「ストレス食い」とかに当たるでしょうか。
ドラッヘンフッターなんて、ついに妻は火を吐くサラマンドラにされました(笑)。



日本語も載っていたんですよ。
「え?これが?」みたいに感じます。


ワビサビ
 生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと。


コモレビ
木々の葉のすきまから射す日の光。


ボケット


これ、すぐには分からなかったのです。
ボケット?


ボケッと
ボケ~っとする、というふうに使われる言葉。


本では「ボケット」の意味をこう書いています。

なにも特別なことを考えず、ぼんやりと遠くを見ているときの気持ち。

そしてですね、著者はこう感じているのです。

日本人は、なにも考えないでいることに名前をつけている、って。
そしてそれはとてもステキなことだと



へえ~!と想って。
どうでしょう、「ボケット」を使う状況ってステキでしょうか。


どちらかというと、
「なにボケ~ッと突っ立ってんの!?」とか、
「ボケッとすんな、ボケ!!」みたいな、
あまり嬉しくない状況で使ってることのほうが多いような・・・。
外国人には知られないほうがいいような気がします(笑)。


しかし本来の「ボケット」は、ステキなことなのかも。
「休日は一日中海を見てボケッとしてました」

こんなボケットを使いたいな~。


海外の人がステキだと感じる「ボケット」。
贅沢な時間の過ごし方を忘れかけてきてるかも。
そろそろ思い出してもいい頃なのかもしれませんね。




「ツンドク」も載ってました。
これ、日本特有の現象なのかな?
言葉のしゃれが上手いですよね、積ん読。


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2017年11月
  1. 自分を卑下してはならない、「100歳のジャーナリストからきみへ」(11/30)
  2. がんばっているあなたに「木曜日にはココアを」(11/29)
  3. とっと de さっさと雑事をこなす(11/28)
  4. ホタルをさがそう、山本周五郎「人ごろし」(11/27)
  5. 意外な言葉が載っている、「翻訳できない世界の言葉」(11/26)
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