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2021-03-29 (Mon) 05:11

『言葉にできない想いは本当にあるのか』「だいじょうぶだあ〜」は魔法のギャグ

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志村けんさんが急逝して早や1年です。
この1年、ほんっとに早かったですね……。
今回は志村けんのギャグに触れていた本を紹介します。

『言葉にできない想いは本当にあるのか(いしわたり淳治:著)』です。


作詞家であり音楽プロデューサーである著者の、
音楽やCMなどあらゆるジャンルから、
気になった言葉を取り上げて考察されたエッセイ集です。

私たちが言葉を使って表現しているのは
いつだって「感情の近似値」にすぎない。



著者は疑問をもちました。
「言葉にできない想い」などとわざわざ言うのなら、
「想いすべてを言葉にできる」と思っているんだろうか?と。

ちゃんと言葉にできてるのは何%でしょうね。
半分…もあるかどうか。

だからこそ、気になる言葉について考えたんですね、著者は。
取り上げた言葉は、
ギガ放題・アゴが外れるほど怖い・気だるい味・
今日、水のはじきいいね!・老いるショック
 などなど。
目のつけどころが面白かったです。

そんな中、すごくいいなあと思ったのが、
「だいじょうぶだぁ 志村けん」の項でした。

あの「だいじょうぶだぁ」の言い方の力の抜ける感じには
魔法が宿っている気がする。
例えば風邪で熱が出た時などに、人から
「大丈夫?」と聞かれたとする。
そこで「うん、大丈夫……」と答えるより、あの言い方で
「だいじょうぶだぁ〜」と答える方が、何十倍も大丈夫な感じがする。



これ、わかる気がしますよね。
自分に思い込ませるように
「だいじょうぶ!!」と力強く言い切るとき、
心の底で、(ムリしてますけどね……)の本音があったりします。

けれど、志村けんのあの「だいじょうぶだぁ〜」の言い方で、
芯からリキみが抜けていく感覚。
生理現象のようにどうしても笑ってしまう感覚。

それを「魔法」と呼んでも、私はいいと思ったのでした。

ギャグが人を本当に大丈夫にしてしまう。
誰かや現象をおちょくったり、自虐にしたり、
そんなギャグばかりのなか、
正攻法のポジティブ言葉を笑いに昇華させた。
これは魔法に匹敵すると思います。

こんなあり得ないことを編みだし、遺してくれた。
本当に偉大な芸人さんです。

今日は笑って過ごしたいですね。それが一番の供養です。

懐かしい、だいじょうぶだぁ~教(約3分57秒)
だいじょうぶだぁ~教
若山富三郎にまで「だいじょうぶだぁ」言わせてます(笑)

男前の芸人の姿(約2分)
志村けん×北野武=津軽三味線×タップダンス

珍しいです、マジで歌う志村けんさん(1分45秒)
志村けんが歌う「時代おくれ」
♪人の心をみつめつづける 時代おくれの男になりたい
うわ、笑っていたいのに泣けてきました・・・



ひとつの言葉に1ページから3ページほどのエッセイです。
音楽や芸能関係の内容が多いですが、知らなくても大丈夫。
目次の気になるページだけ読んでみても楽しめます。

最終更新日 : 2021-03-29