吉報配達ブログ

言葉で世界をつくる、変えていく

Top Page › 詩・短歌・俳句 › 忙しくても、キラキラ光るものを見てみよう
2016-12-04 (Sun) 06:45

忙しくても、キラキラ光るものを見てみよう

クリスマスを題材にした映画や小説、絵本など、
いろんな素敵なものがありますね。

詩も好きなんです。
クリスマスにちなんだ詩はいろいろあるけれど、
私は、これが一番好きです。




大きなクリスマスツリーがたった  谷川俊太郎

キラキラ光っていて
この世じゃないみたいにきれいだけど
これも人間が作ったものだよ
夜の間に大急ぎで
ビニールテープを巻いたりして
時々ビリッと感電したりして
作った人は寒くて寒くて
きれいかどうかも分からなかったよ

キラキラ光っていて

永久に消えないみたいにまぶしいけど
いつかは壊してしまうんだよ
直ぐに新しい年がやってきて
これもあっという間に古くなる
きれいなものの命は短いのさ
ほんのちょっとにぎやかな気分になって
あとは夢のように忘れてしまうんだ

キラキラ光っているものは

どうしてもどこかに影をつくる
影しか見ない人だっているんだよ
影のほうがいいとすねている人だっているんだ
そんな人に限って本当は
もっとキラキラと明るいものに
それがなにかわからないくせに
もう、泣きたくなるほどこがれているのさ




いつ読んでも、何度読んでも好きだと思える詩なんです。

以前の私は、
最後の5行のような人間だったと思います。
だから、この詩に癒されていたのかな・・・。

今は光にこがれているような私ではないけれど、
それでもこの5行は胸に沁みます。

今なら、
寒くて、でも急いで、みんなのために
クリスマスツリーの飾り付けをしてくれていた人に
感謝する気持ちのゆとりがあります。
それだけ大人になれたんだなあ・・・。


きれいなものの命は短いのさ

谷川氏は、日本人なら誰にでも分かる
日本語しかつかっていないのに、
どうしてここまで本質を言葉にできるのかと
感嘆してしまいます。

ハロウィンが終わって
「もうクリスマスの飾りィ?」なんて思ってたら、
あっという間に全て片付けられてしまいますね。


心も亡くす忙しい12月、
でも、誰かがつくってくれた
イルミネーションのきれいなものたちを
存分に味わいながら、
クリスマスまでを過ごす余裕を持ちたいです。

最終更新日 : 2020-07-18