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2020-07-08 (Wed) 05:11

自信を無くさない丸付けのやり方

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『祈りの現場(石井光太:著)』のなかの一部分を紹介します。



服役中のヤクザの親分と、刑務所で勉強を教える先生の、
コントのような本当の会話。


算数の勉強をしています。
繰り上がりのときは指をつかっていいんだよ。

「先生、手の指だけじゃ足りないんだけど」

あ、小指なかった。

「算数よりさ、難しい漢字を勉強したいんだ。
子分に色紙出されて、何か一言くださいって言われたとき、
難しい字を書けば、それだけで人間が上がる」



そんなことより、算数できたほうがいいんじゃない?


「そっちはいいんだ。
使いにやるときは万札握らせればいいんだよ。
たばこひと箱買いに行くんでも、万札握らせりゃ喜ぶんだから」



それは私もおつかいに行きたいよ。
でも、誰かの入院見舞いに最高級メロンを3つ4つ買っていけってときも
万札1枚(笑)。
子分が「足りません」って言わない?


「うるせぇ、オレがこれで買っていけって言ってんだから、
これで買っていけ」



だから算数いらないんだ。
じゃあ、とあるブツの価格、グラム2万円としよう。
それを5キロ商ったらいくらになる?


「先生、それは非常に大切な問題だ」


やっとやる気出してくれたか。
しかしすぐに言うんだよね。

「先生、わからない」


だから、これからそれをやろうって言うんだよ。


「いや、大丈夫。ウチは金庫番がいるから。
アイツはオレを裏切らない」





信頼できる仲間がいるってすばらしい。


というお話をしたいのではありません。

刑務所や矯正施設などでも勉強は行われています。
しかし、この人たちはまともに学校すら通っていないケースが多いため、
読み書きもできないことがあるのです。

そのような人たちにどうやって教えるのか。



絶対、間違った所にバッテンをしない

間違えている箇所に、バッテンをつけないそうです。
当たってる・できてるところだけ丸をつけるやり方です。

間違ったところは、
「もう一回考えてみよう」と、また考えさせて、当たったら丸する。

必ず、答案は花丸の100点で返すのです。

すると受刑者は
「今までバッテンしかもらったことない。
100点で花丸なんて初めてだ」と喜ぶそうです。


バッテンは、その人を否定することにもなる。



思えば犯罪を犯す人とは、
人からバッテンをつけられることに慣れてしまい、
自らバッテンをつけるような選択をして生きてきた人です。

なので、勉強を通して、丸をつけてもらえる喜びを見出してもらう。
そう心がけているそうです。


バッテンをつけるって、
普通に私もやってますね。

人の答案の答え合わせをするとき、
間違っているところにバッテンをつけるのは
ある種の快感があった、と私は認めます。

答案だけに限らないですが。

採点する側の意識が変わりそうです。
当たってるところに丸をつけるだけ。
間違っているところはなにも印をつけず、
もう一回考え直させる。

最後は丸ばかりの満点。

このほうがずっといいですね。



すごい本でした。私の薄っぺらな言葉だらけのこのブログを
全部削除したくなるほど、過酷な現実に向き合う人々がいました。

最終更新日 : 2020-07-17