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2017-08-18 (Fri) 06:45

「虫なんか捨ててきなさい!」と言いたいが、「虫めづる姫君」

「毛虫って、考え深そうな感じがして、いいよね」


こんなこと言える人っているんですね。
毛虫は考えが深いんじゃなく、毛深いと思ってましたけど。


子どもたちと公園で遊んだりお散歩にいくと、虫に興味津々だということがよくわかります。
とにかく、よく見ます。
捕まえようとして駆け回ったり。
そしてこっそりポケットに入れます。


「ちょっと!?虫なんか持って帰らんとって!!」

こうなっちゃうんですよね・・・。


平安時代に、変わったお姫様がいたお話、
『虫めづる姫君』を読みました。



冒頭のセリフはその姫君の言葉です。
虫が大好き。

あまりにも好きで、こおろぎの絵柄の着物を着ているくらいです。

とくに毛虫が大好きなんですけど、
その姫君の信念はこのようなもの。


「世間ではよく、蝶よ花よ、なんていって、はかないものをもてはやすけれど、そんなのは考えが浅いよね。
ばかばかしくて、おかしいよ。
だって、人間っていうものは、誠実な心を持って、物事の本質を追究してこそ、すぐれているといえるんだから」



「人間っていうものは、取りつくろうところがあるのは、よくないよ。
自然のままがいいんだよ」



「世間で、どういわれようと、あたしは気にしない。
すべての物事の本当のすがたを、深く追い求めて、どうなるのか、どうなっているのか、しっかり見なくちゃ。
それでこそ因果関係もわかるし、意義があるんだから。
こんなこと、初歩的な理屈だよ。毛虫は、蝶になるんだから」




物事の本質を追究するのが、誠実な人間のすることだ。
こう言ってるんですね。

毛虫からこの発想は素晴らしすぎますね。


姫君に仕える侍女たちは、陰口を言うんです。
「お隣の姫様のところで働きたかった」
「普通の人にお仕えしたいわ~」などなど。

それを、ベテラン侍女がたしなめます。


「毛虫は脱皮して、羽化して、やがては蝶になる。
(姫君は)物事が移り変わっていく過程そのものに、関心をお持ちなんです。
探究心をお持ちなんですよ」



子どもが虫に関心を寄せて、観察している。
これって、本能としてやっているのかもしれないなと思いました。

だって、ホントにみんなじっと見ています。


子どもって、虫を生きたままつかむことが出来ない。
アリやてんとう虫を潰しちゃうんですよね、力加減がわからなくて。

そういうのも、生きてる虫からしか学べない。
図鑑や標本は、見本であって、命はそこにはありませんものね。

生きている虫からしか学べないものがある。


虫ならいくら殺してもいいってわけではないけれど、
一番身近に、「死」の概念を教えてくれるのは、虫じゃないかと思います。


そう考えると、子どもが内緒で毛虫を飼っていても、
「すぐ捨ててきなさいーー!!」はぐっと堪える必要があるかも。


・・・苦手ですけどね、虫。
でも、子どもの探究心を潰してしまったらもったいないですね。


平安時代後期に書かれた、ちょっとおかしな姫君のお話。
この時代に普通とされていたことを、全くやりません。
でも、無礼なことをするわけではありません。
自分独自の価値観を大切にしている女性なのです。
大切なことを教わりました。



新訳版で、とても読みやすいです。

最終更新日 : 2020-07-18

* by てかと
小さな生き物は俺たち人間の本質、残虐性を教えてくれるありがたい存在だよなぁ
俺が小学生のとき科学クラブにいたのだが、同学年の女子が麻酔をかけたカエルの解剖中にメスでふくらんだりちぢんだりを繰り返す肺をつきさして黄色い声をあげていた
俺はそれをみて肝を冷やしたよ
今風にいえばドン引きだw

* by ミドリノマッキー
毛虫といったら赤塚漫画の「ケムンパス」。
このケムンパス君、物事に動じない性格でほとんどしゃべらない。その彼が時々ボソッと言うんです。「人生泣き笑いでやんす」と。
毛虫って意外とうんちくがあるのかも。姫君もそこんとこが分かってて惚れ込んでいるのかもしれません。

* by 節約ドットコム
子供の頃はよく虫取り遊びをしてたのを思い出します。父親によく連れて行ってもらっていましたね〜
でも、今は?
虫のいない世界で暮らしたい・・・というのが本音ですかね笑

カエルの解剖とか平気でやれていたのに・・・

(* ´艸`)クスクス * by ふたごパンダ
幼稚園のときの写真に
毛虫を捕まえている写真があるんです(笑)。
小さい頃は平気で捕まえていたんですね。
信じられなーい(* ´艸`)クスクス
今は虫は無視…じゃなくて嫌いです(笑)。

でも物ごとの本質を見るって
大事ですね(。・ω・。)ノ♡

* by 八咫烏(全力稼働中)
私も子供のころは虫をよく触っていたんですよね~。でも今はもう駄目になってしまいました。不思議なものですよね。子供のころは良くて大人になると駄目になるという・・・。
このお話は、実際に虫の話ではなくて、もっと大きいものを語っているのですね~。うわべばかりとって、差別したり敬遠したり。そうこうしているうちに、自分を失ってしまったり。
自分を考えてみて、今から戻れるだろうかと思うと、それもまたなかなか難しいところでありますね~・・・。

Re: てかと様へ * by 馬場亜紀
コメントありがとうございます。
本質に残虐性がある。
それ、思います・・・。子どもってアリを踏みつけて殺しまくります。ある程度たてばやらなくなります。何か変わるんでしょうね、次は「飼いたい、育てたい」って気持ちが芽生えてきていますから。
その女子・・・汗。オンナのほうが残虐か。
でも科学クラブなんてあったんですね、それはいいな。

Re: ミドリノマッキー様へ * by 馬場亜紀
コメントありがとうございます。
> 毛虫といったら赤塚漫画の「ケムンパス」。
> このケムンパス君、物事に動じない性格でほとんどしゃべらない。その彼が時々ボソッと言うんです。「人生泣き笑いでやんす」と。
> 毛虫って意外とうんちくがあるのかも。姫君もそこんとこが分かってて惚れ込んでいるのかもしれません。
「人生泣き笑いでやんす」
いいですね、このセリフ。
赤塚先生、達観してますね。教えていただけてよかった!ありがとうございます!

Re: 節約ドットコム様へ * by 馬場亜紀
コメントありがとうございます。
飼いたいと思うような虫は探してもいなくなってて、いてほしくない、いわゆる「害虫」って虫はわんさかいる。そんな状況ですよね。
人や動物にも害のある虫っているけど、彼らの存在価値ってなんだろう?難しいです。

Re: (* ´艸`)クスクス * by 馬場亜紀
ふたごパンダさま、まさに「虫めづる姫君」やってたんじゃないですか!笑
毛虫、触れない・・・。
今年はましでしたけど、去年おととしは毛虫が大量発生して大変でした。子どもも大人もアトピーみたいな湿疹が出て、大勢が通院してましたよ。毛虫の毛は見えないけど空中に舞っているそうで。ノォォォォ・・・。
幼虫からさなぎ、そして成虫と変態する姿は信じられないくらい不思議なものですよねえ。

Re: 八咫烏(全力稼働中)様へ * by 馬場亜紀
コメントありがとうございます。
おお、カラス様も大人になってからの虫はダメなタイプでしたか・・・。セミとかはどうですか?カブトムシとか。私、かろうじてバッタやクワガタは持てます!(何自慢?)
虫は触れなくても、物事の本質を見るようにすることは出来そうですよね。そこをがんばります。毛虫は・・・いいヮ(笑)。

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