2018. 04. 14  
本当の人間らしさとはいったい何だと思う?


「144C (瀬名秀明:著)」です。



『2030年の旅』に収録されている短編です。
人工知能(AI)が小説を書いた・・・というお話。

人工知能が書いた小説というものは存在しているんですよね。
それがまた、けっこう読ませるものになっているそうで。

ついに物語を書いちゃうのか~って思ってしまいますが。
AIの書いた小説に感動したら、アホみたいですか?


今回紹介する短編は、AIが書いた小説だと知らずに読まされ、感想を聞かれた編集者志望の若者が苦悩するのです。
「そんなものに感動した僕は、編集者になれないのでは?」と。
冒頭の言葉は彼の師匠の質問なのです。


本当の人間らしさっていったい何だと思う?
書き手がそこを目指すとき、
どうして読み手も気づこうとしないの?

本当に人間らしい作品は、
本当に人間らしい読み手によって真に創造的となる。



誰がなにを思って書いたとしても、
それを読む側がどう受け取るか、読み取るか。
それは読み手次第でどうにでも変わってしまうんですよね。


悪意のある人はなにを読んでもそこに悪意を感じるでしょうし。

誰が書いても、AIが書いたとしても、
読み手が人間らしく「感じ」なければ、
どんな名文も名作もなんの感動も生みはしないんですよね。

あらためてそのことを意識できました。

物語って、ストーリー性と、
言葉の組み合わせがどれだけ意外で新鮮で、ということが決め手になるんじゃないかと思っています。

新しい言葉をつくって物語を書いているのではないですよね。
現存する言葉の組み合わせの妙に、
感動したりするところも大きいのです。

だからもしAIの小説で「この表現、好きやなあ!」と思うことがあったとしても、
それはとくに恥ずかしいことでもなんでもないなあと思いました。

こういう話とセットで、
「小説家という職業は廃れてしまうのか?」みたいな問題も言われますが。

将棋や囲碁でAIがプロに勝ったからといって、
囲碁や将棋をやる人がいなくなったわけではないですよね。

逆に話題になるから競技人口としては増えたんじゃないでしょうか。


AIの脅威みたいなものがクローズアップされがちですが、
それを動かすのが人間である限り、
人間らしさはなくならないし、
より一層の人間らしさを見つめなおすきっかけになりそうだと思いました。

心底ビックリするときは、AIが感想を言い出したときかな。
そのとき、友だちになれるんじゃないでしょうか☆




7つの短編すべてが、2030年の日本が舞台となっています。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

にほんブログ村


NEXT Entry
イメチェンしたかったら、「わらの人」
NEW Topics
読書をしないのもいいもんだ。
ありがとうございました!
中間点で会いましょう
やりたくないけどやらなきゃいけない。
車の運転が下手なんですけど、いい方法は?
Comment
愛で書く
起承転結、の文章構成は楽勝でしょうけど
喜怒哀楽、感情表現でしょうね~
ここをこうやれば人間って感動するんでしょ、みたいな。
で、作品とするにはそれをどう乱していくか、崩していくかだと思うので…
どんな文章になるのかわからない分、読んでみたい気もします^^
No title
難しい問題だなぁ~。
例えば風景を賛美した文章をAIが書いたとします。
でもAIはその風景を見たわけでもなく聞いたわけでもないんですよね。
ただ資料を与えられていただけ。
読者はその風景の有様を素直に受け取っていいものか。
AIは情景表現だけでなく人間の喜び、悩みなどの葛藤さえ表現できるかもしれません。文章の組み合わせだけで。
そうなると何に感動していいのか分かりません。
結局、書いている者の思いというのは何の意味もなさず、表現力が問われるだけなのか。
今、こう書いていてますます訳が分からなくなりました。
たぶん、自分は人間が書いたものかAIが書いたものかの区別はつかないと思います。
だからAIが書いたものでさえ素直に感動するかもしれません。
No title
初音ミクのようなボーカロイドが歌っても感動する歌詞や歌は作れるのだから、
AIが詩や小説を書いても問題ないんじゃない?
芥川賞みたいなのを総なめにされるようだと興ざめだけどw
AIもロジックを組んだ人が印税受け取れるなら、
うっはうはだろうな。

膨大なデータを元に・・・
・・・人間の能力をはるかに超える速度で答えをはじき出す人工知能。
1年前の春に、読んだ記事に
「最近のコンピュータのソフトウェアは、私たちの能力を超えるような段階
になったと報じられています。
ある新聞の記事によるとAIとアルゴリズムで、文章を書かせると正確に文章を
書くことができるようになったとの報告があった。」
反響は大きく、「想像以上に違和感がない。本当に人の手が入っていないのか」・・・
それから1年、今度は「小説」なんですねー。
誰が書いたのか知らされずに読んだなら、私ならきっと気付かないと思います。
AIが書いたと知っている前提なら、私の性格上、身構えて読んでしまうだろうなー。
まだ、AIが生活の中に溶け込めていないし、時代について行けないというのが本音です;;
でも興味だけはありますよ~!
(^▽^)/
AIが文章書けるんですね。
すごいなぁ。
読んでみたいです(*´▽`*)
Re: 愛で書く
aiupaさま、コメントありがとうございます。
このコメントを読んだら、AIの写真家というのは存在できないなと感じました。
レンズに写ったものを撮影するならできるけど、どこに感動を感じて焦点をあてるか、という作業はしばらくはできないだろうと想像します。
ということは、人間だって、ただシャッターを押すだけ、言葉を連ねるだけでは機械と変わらないってことなんでしょうね・・・。
Re: ミドリノマッキーさまへ
コメントありがとうございます。
マッキーさんの戸惑いが、小説内の青年とほぼ同じ状態です。困惑してしまってるのです。
私も、素晴らしい風景描写をされていたら、たとえAIが書いたとしても感動してしまうだろうと思えます。
今のところ、人間がある程度の情報を入れてあげるから書ける、というものなので、完全にAIだけで書いたものはまだまだ先じゃないと読めないようです。
Re: てかとさまへ
コメントありがとうございます。
初音ミクというアイドルじゃないんですか!?そこからビックリでしたのでウィキ検索・・・あ、ボーカロイド・・・合成・・・へえ!!知りませんでした~。てっきり実在の女性だとww
めっちゃ人気あるみたいだと思ってますが、ふうん・・・音楽業界のほうが進んでるってことかな。
たしかに印税どうなんの?って思いますね。賞とったらすっごい売れるでしょうからね~。
Re: 膨大なデータを元に・・・
なつみさま、コメントありがとうございます。
そのあたりの記事は調べてみました。難しいことが書いてあってよく分からないところも多いんですが、とりあえず今のところ、人間がある程度の情報を入力してあげないと、文章を書くことはできないみたいです。
なので完全にAIだけが仕上げた小説というものはまだ存在しないですね。
2016年に星新一賞の一次審査で落ちた小説はネットで読むことができます。
それはなんだろ・・・箇条書きのような感じがずっと続いて、さすがに面白くなかったです(笑)。
でもAIの小説でも読んでみたいなとは思いますよね~。
Re: (^▽^)/
ふたごパンダさま、コメントありがとうございます。
とりあえず2016年の星新一賞の一次審査に落ちた作品はネットで読めました。
箇条書きというか、「○○が・・・しました。△△が~~しました。・・・」単調に続いていて、まったく面白くなかったのですww
でもこれから発表されていくでしょうね~。
私も読んでみたいのです☆
No title
2030年、というタイトルのインパクトが大きくて、頭がそこで止まっちゃいました。
でも考えたら、あと12年後!?
今年生まれた子が12歳になる時が2030年!?
くらくらしちゃいそうです…
AIがどこまで進化するのか、人間の感情にどこまで迫れるか、
チューリングテストが話題になったのを思い出します。
AIがどんな感想を言い出すのか、興味津々ですね。
なんか頭まとまらなくて変なコメントですみません(汗)
AIならこんな文章書かないだろうな~(笑)
No title
AIに星新一の小説大賞を応募させてみた、って本があり、読んだことがあります。なかなか難しいことのようですね~。AIは意味を考えることができず、さらに感情という複雑怪奇なものまでは模倣できないようですからね。AIの偏差値は、大学入試で50台後半ぐらいのものだということですから、文章だけなら作れるかもしれませんね。60台までの、残った数値が実は人間が根本的なところで優っていることを表している数字のかもしれませんね^^
Re: ナカリママさまへ
コメントありがとうございます。
2030年が実はすぐそこにあることを考えてくらくら~分かりますわかります!
小説内でもかなりすごい技術が発想されていましたが、う~ん・・・12年でそこまでできるか?って感じです。
紹介していない短編は、「小説家の発想も子どもとさほど変わらないね・・・」と感じてしまったのでした(意外性がなかったと感じました)。
AIの感想が届いたら腰抜かすということを経験しそうです(笑)
やっぱり人間とやりとりしたいですねえ。
Re: 八咫烏(全力稼働中)さまへ
コメントありがとうございます。
おお、既読されていましたか!
よく書けてるともいえるし、めちゃくちゃ作文苦手な人が書いた文章にも読めますし(笑)
人間が思ったような物語が出来上がるわけではなさそうですよね。
その変換が人間らしさの部分で、まだ解明できないみたいですよね~。
人間って単純なのか複雑なのか、どっちもあってよく分からなくなりますね、わかってくればわかるほど。
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

馬場亜紀

Author:馬場亜紀
FC2ブログへようこそ!
本の中の心に刺さる一文をご紹介いたします。
看護師免許をもっていますが、今は保育の仕事をしています。自身の子育ても真っ最中。
くわしくは「自己紹介」をご覧いただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします☆

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR