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2018. 05. 22  
「かぎりない大宇宙のなかで、かぎりある命しかもたない自分が果たせたことは何だったのか?」


今回は、仲間に嫌われてお終いのはずだった人生を逆転させた、実在の人物のお話です。
『月のえくぼを見た男 浅田剛立』です。



日本の天文学の父とも言える大人物だそうです。
・・・聞いたことも見たこともなかった名前です。
浅田剛立(あさだ ごうりゅう)。

月にはクレーターがありますよね。あのでこぼこの。
クレーターって、名前がつけられているそうです。
クレーター・コペルニクス
クレーター・アインシュタイン
クレーター・アサダ

ちょっと待って。
最初の2つはわかる、偉人の名前をつけたんですね。
3つ目の、「アサダ」。誰それ?ってなりませんか。

仲間に嫌われ孤立したことをきっかけに、偉業を成す人物です。


1734年、現在の大分県に生まれた麻田剛立。
幼いころから天体観測が大好きでした。

庭に竹を立てて影を測定し、季節によって日の高さに変化があることに気づきます。
若干6歳で。

あまりにも熱中するため、母親から天体観測禁止を言い渡されますが、理解ある優しい父に許しをもらって観測に夢中の日々でした。

しかし大きくなってからは藩に仕える「侍医」として働きます。


ある時、藩主が原因不明の腹痛で苦しんでいました。
侍医は数名いましたが、だれも治す手立てをもっていません。

剛立は、薬草をブレンドしたオリジナル薬をもっていて、失敗したら切腹すると約束して、藩主に自分の薬を飲ませました。

数時間後、藩主の容態は落ち着きました。
それを観ていた仲間の医者たちは嫉妬します。
藩主は苦しんでいたので、誰が自分を助けてくれたのか知りません。

仲間たちは「剛立の治療のおかげです」と言いませんでした。
さらに、剛立と口もきかなくなったのです。


自分の存在価値をなくしてしまったと感じた剛立。
藩主に医者をやめたいと申し出ますが、断られます。

ならば、脱藩だ。

兄にだけ大阪に行くと告げ、本当に脱藩してしまいました。


大阪で知人のお世話になりながら、町医者として再出発した剛立。

「人にまどわされる弱い人間ではなく、力強く立ちあがれる人間になりたい」
こう決意したのでした。


この頃の脱藩は重罪だったそうですね。
よほど、失意に堕ちていたんだと想像します。

人の嫉妬って恐ろしい力をもっているんですね・・・。

しかし、力強く立ちあがると決心した剛立。
大阪の庶民からは、「町医者の天文学者、剛立先生」と慕われたそうです。


私塾に通って天文学を深めていってたんです。
そしてオランダ人から入手した望遠鏡をつかって月の観測をします。

「月に池があるじゃないか!」

はじめて、月にクレーターがあることを発見した日本人です。

そして観測を続け、日食や月食を予想できるようになりました。
なぜこれが大切なことなのか。
そのころの暦はかなりズレがあったそうです。

暦が間違っていると、農作物の植える時期などに影響します。
より正しい暦が必要だったのです。

この基礎をつくったのが、麻田剛立だったのです。


そして、剛立の門下生に、高橋至時という人物がいました。
この高橋の弟子が、初の日本地図を作った、伊能忠敬です。

なんというつながり・・・。


そしてもう一つ。
医者として剛立は、人体解剖書「越俎弄筆」を共同作成しています。

これは杉田玄白による『解体新書』の前です。
(『解体新書』は1774年、「越俎弄筆」は1773年です)

解体新書は翻訳でしたが、剛立たちの作ったものは、
自分たちで解剖した動物のスケッチ、人体解剖を行った人から詳細に聞き取ったものを元にした、日本オリジナルの解剖書でした。
これもまた、日本の医学の夜明け前の出来事であります。



どれもこれも、はじまりは仲間から嫌われ孤立したことだったのです。
人生って、自分からがんばってみたら、どんなことが待っているか分からないですね。

孤立したから、終わりじゃない。
がんばりは、無駄じゃない。




今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
月の地名につける名前は、「世界的に選ばれた人類の文化と知識への貢献者にちなむ者」とされているそうです。
日本代表の麻田剛立。
1799年5月22日、65歳で永眠。
今日は剛立の命日です。


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読書をしないのもいいもんだ。
ありがとうございました!
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胸に七つのえくぼを持つ男
キザなことをいうのも嫌われるポイントでしょうか。女性でいうぶりっこ。異性にはモテたりするからそこがまた反感をかったりして。実際、月のクレーターは衝突クレーターでニキビ跡だと噴火っぽいから、外傷、キズ跡というのが正解でしょうか。
No title
できるひとは発言も行動も突飛なんですよね。歴史上そういう人物は大勢いました。現代もそうです。
だからこそ諸葛亮みたいなひとが若いうちから隠棲しちまうわけなんですが。
逆にだめなひとは探さなくても主張してでてくるから困るw
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No title
浅田剛立。初耳ですが、実に興味深い人物です。今も昔も、偉大な人物はやることが実に大胆ですね。そして今も昔も、そういった人物は孤独であったりします。しかし、暦いえば小説「天地明察」を読んでその作成の大変さを知っていただけに、実に興味がひかれました。解体新書、日本地図にも彼の影響は及んでいるわけですね。まさに偉人であります。こういった人物が普通に教育を受けてきたはずの身に初耳であることが残念でなりません。
知らない人でした!
まだまだ歴史には知らないことがたくさんあるんだ、と驚きました。
ナカリと一緒に記事を読みました。
この人の生き方カッコイイなぁと話すと、
ウンウンと頷いていました!
勇気の出るお話をありがとうございました。
記事を読まなかったら、きっとずっと知らないままでした。
ほんと、こういう人を学校教育で取り上げてほしいです。
Re: 胸に七つのえくぼを持つ男
aiupaさま、コメントありがとうございます。
今はぶりっこも通用しないそうですね。ぶりぶり出来なかった私にはいい時代ですわww
クレーターを最初に見たときの感想、池のほかに、「疱瘡の痕だ!」がありました。
これが最も近い表現ですね、美しくないですけど。
Re: てかとさまへ
コメントありがとうございます。
凡人に理解できないハイレベルなことを、「突拍子もないこと」と言われるんですよね、きっと。
だめなひとは探さなくても出てくる、に爆笑でした。
天才とは、まわりがケアしてあげないと埋もれてしまう可能性も大きいですね。
Re: 八咫烏(全力稼働中)さまへ
カラスさんならご存知かと想っていたんですが。
そこまで地味な人物なんですね、麻田剛立・・・。
クレーターに名前を遺してもらえるほどの立派な人だったということですよねえ。
最近の伝記モノって、イチローや松井秀喜、ジョブスなどの最近の偉業を達成した人が増えてますね。
それももちろんいいんだけど、なんか、生きてる人を伝記にするってどうよ?とまず想ってます(笑)。
いろんな生き方があったということを、子供たちに希望と勇気を与えようと想うなら、歴史から学ぶほうが先じゃないかと想う今日このごろです。
Re: 知らない人でした!
ナカリママさま、コメントありがとうございます。
ナカリさんも共感してもらえたなんて、ダブルで嬉しいです。
まったく習わないし、歴史年表でもでてきませんよねえ・・・。
この本のシリーズが、伊能忠敬や関孝和などが登場していて、小中学生向けなんですけど、私なぜか読んでしまうんですよ~。
おもしろくって!
とくに幼少期を想像も含めてイキイキと描かれているところなど、その人物に好感をもってしまいます☆
もっと宣伝したいんです(笑)。
(*^▽^*)
アサダさん知らなかった(笑)。
BUMP OF CHICKENの天体観測って歌
大好きだな♡←話変わってる(*`艸´)ウシシシ
がんばりは無駄じゃないって
そのとおりですね(*^^)v
No title
浅田剛立、知らなかった。いるんですね、スゴイ人。
小さい頃からどこか違うのが偉人さん。よく聞きます。
嫌われ孤立して成し遂げたのか。
だったら子供に、みんなと仲良くしなさいと言い難くなりますね。
いや、やっぱり仲良くしないといけません。

No title
高橋至時は私の本名に通じるものがあって思い入れがある人なので結構調べたのですが、麻田剛立は知りませんでした。いろんなところでつながりがあるものですね。クレーター名に選んだ人もすごい。ここにも何かドラマがありそうですね。
それにしても成果を上げても周りから認められないのは辛いですね。ずっと低いレベルながら私も似たような経験はしていますが、「脱藩」する勇気までは出ないところが私の器の小ささか・・・(T_T)
Re: (*^▽^*)
ふたごパンダさま、コメントありがとうございます。
「天体観測の歌」知りませんでした~。ググッたよん。

♪見えているモノを見落として 望遠鏡をまた担いで
静寂と暗闇の帰り道を駆け抜けた
そうして知った痛みが 未だに僕を支えている

歌詞、ええやん!!好きになった~~☆
教えてくださってありがとう(チュゥ~♪)
Re: ミドリノマッキーさまへ
コメントありがとうございます。
九州の人だけど脱藩しちゃったし、偉業は大阪で行ったから、九州の人でも知らないですよね。
というか大阪の人もほとんど知らないと想われる偉人ですが。
やりたいことはとことんやった、でも人あたりは善かった。
そんな印象を受けましたね~。
そうじゃないと、いろんな人の助けなしにああいったことはできないですよね。
Re: へろんさまへ
コメントありがとうございます。
著者が「剛立研究家」としてかなり詳細に調べられた、初の剛立伝記みたいですね。
ちょっと子ども向けのつくりになっていますが、大人が読んでも十分読み応えがあります。

ネットで調べてみても、クレーターに名づけられたいきさつなども全然分からないですね。
どんだけひっそりと歴史に名をのこしてんの?ってくらい。

「脱藩」に匹敵する行動って・・・無謀と同義になっちゃう可能性も高いのです。
そこまでじゃない、と考えることもできそうです。
よほどじゃないと「脱藩」できませんよ~。
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プロフィール

馬場亜紀

Author:馬場亜紀
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看護師免許をもっていますが、今は保育の仕事をしています。自身の子育ても真っ最中。
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