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2020-05-16 (Sat) 05:11

名作を速読で味わってみる。坂口安吾の巻

文庫本は何冊積んだら倒れるか(堀井憲一郎:著)』に触発されて、
名作を速読してみる企画です。


文庫本は何冊積んだら倒れるか


速読、といっても、どれだけ速く読めるか、どうやったら速読できるか、
というものではありません。
小説の、最初と最後だけを読んで、5秒で新たな味わいを見つけてみる。
こういったものです。

今回は、坂口安吾でいってみます。

『青鬼の褌を洗う女』
匂いって何だろう?なぜ、こんなに、なつかしいのだろう。



『阿部定さんの印象』
阿部定さんに会った感じは、一ばん平凡な下町育ちの女といふ感じであった。
恋する人に幸あれ。



『家康』
徳川家康は狸オヤジと相場がきまっている。古狸よりは、
むしろお人好しの然し図太いところもある平凡な偉大であったようだ。



『我鬼』
秀吉は意思で弱点を抑へてゐた。
そして眼がだんだん閉ぢた。秀吉は死んでゐた。



『いずこへ』
私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。
いずこへ?いずこへ?私はすべてが分らなかった。



『オモチャ箱』
およそ芸ごとには、その芸に生きる以外に手のない人間というものがあるものだ。
私は、あなたの実に下らぬ死を思い、やるせなくて、たまらなかったのだ。



『女剣士』
石毛存八は刑務所を出ると、益々技をみがいているということである。


超絶技巧をもつスリ師。

『神サマを生んだ人々』
大巻博士が途方に暮れながら温泉都市の海岸通りを歩いていると、
ポンと背中をたたいた者がある。人生を面白がろうとしないのだ。
面白くないことを百も承知で平気で生きている奴の自信に圧倒されたのである。



『教祖の文学』
去年、小林秀雄が水道橋のプラットホームから墜落して不思議な命を助かったという話をきいた。
人間だけが地獄を見る。然し地獄なんか見やしない。花を見るだけだ。



『行雲流水』
「和尚さん。大変でございます」
ウスノロを徹底的にしぼッて苦しめてやろうと決心したゞけのことであった。


どんな折檻がまっているのか・・・ガクブル


激しい口調や思想をもっているようで、
じつはものすごく優しい人だったんじゃないかと想像しています。
阿部定さんや家康への視点は、優しい人にしかもてない感想だと思いますから。

最後に、一ばん有名ともいえる作品『堕落論』の速読を。

半年のうちに世相は変った。
堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。



予言かッ!?
自分を救えるのは自分だけ。まさにそんな世相です。


『坂口安吾全集・444作品⇒1冊』

最終更新日 : 2020-05-16