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2020-05-20 (Wed) 05:11

癒される小説なんて、無いの?

元気が出ないとき、
なんとなく沈んだ気持ちのとき、
誰ともしゃべりたくないけど、ひとりぼっちもつらいとき。
そんなときこそ、私は本を欲します。
できれば、癒してくれる小説を。

『アリクイのいんぼう 家守とミルクセーキと三文じゃない判(鳩見すた:著)』です。



表紙だけで癒されました(読まなくてもいい?笑)。
可愛すぎますー。

ミナミコアリクイのアリクイさんが営む、喫茶店兼ハンコ屋さんが舞台。
異世界もの、でもないです。
他はごく普通の日本人たちが、日常をおくっています。
いや、それを異世界ものと呼ぶ?

Yahoo知恵袋で、ある書店員さんが、
「癒される小説は、本物の小説ではありません」と回答されてて、びっくりしました。

本物の小説?

「癒してくれる小説、ありませんか?」
なんて聞かれて辟易してるのかもしれませんね。
本気で探すなら、カウンセリングから始めないと。

私も冒頭から「癒してくれる小説が読みたい」って書いてます。
癒されたい、なんて言っても、
癒されなければならないほど、傷ついてるの?って思ったり。

本当に癒してくれる小説ならば、
めちゃくちゃ傷をえぐってから、治癒にもっていくでしょうね。
そんでもって、そんなのは「癒してくれる小説」を
求めにくる人の望むものではないでしょうし。

「癒されたい」の本当の意味は、傷の治癒ではなく、
「乾きを潤したい」ではないかな。

砂漠を歩く旅人が、「み、水・・・」と求めるように。
(私は鳥取砂丘しか行ったことがないけれど)
オアシスを見つけ、水を飲み、また歩き出す。
オアシスの役割をしてくれるのが、癒し小説ならぬ、
「憩いを与えてくれる」小説かと思います。

からだと心を休めてくれるもの。
からだと心を潤してくれるもの。
おまけにマンガを読むかのごとくスルスルと読めるもの。

なので『アリクイのいんぼう』は、憩いの小説と呼びたいです。

著者の鳩見さんが、言葉を大事にされてるのが伝わってきました。
もしかしたら、山田詠美さんのファンかも?
詠美さんを尊敬し、目指していらっしゃるのかなあなんて思いながら楽しみました。


『なりたい自分』がないってことは、いまの自分が一番ってことじゃないですか。



『老人の続ける勇気と、若者の諦める勇気は、ほかのなによりも尊い』



「音楽は、つらいよな。『音を楽しむ』と書くのは皮肉だとよく思う」



「印鑑に使われている『鑑みる』という字は、鏡を見るという意味の
『かがみる』が転じたものです」



憩い小説を読んだら、ちっぽけだと思っていた自分の日常を「鑑みて」、
ほんの少し、上向けたいという気力が戻ってきます。

ほんの少しなんですよ。
今日は色と香りの好きな入浴剤を入れて、ゆっくりお風呂に入ろう、とか。
久しぶりに作ってみる料理の支度をするとか。

他人にはわからない、だけど自分だけは、
「ちょっと、自分の人生を大切にしてるな」って思える行動を起こす。

憩いの小説って、そういう即効性があります。
本物じゃなくても、いいんです。
自分にとって、大切なら。


アリクイのいんぼう 家守とミルクセーキと三文じゃない判 (メディアワークス文庫)


アリクイのいんぼう 愛する人とチーズケーキとはんこう (メディアワークス文庫)


アリクイのいんぼう 運命の人と秋季限定フルーツパフェと割印 (メディアワークス文庫)


アリクイのいんぼう 魔女と魔法のモカロールと消しハン (メディアワークス文庫)

太ったコアリクイがシロクマに似ているらしい。
ぜひ、見てみたい・・・♪
「家守と・・・」は、Amazonアンリミテッド読み放題対象本です。

最終更新日 : 2020-05-20