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2020-07-30 (Thu) 05:11

『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』

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誰も読まない本ばかりの書評集。
なんて言ってしまったら、興味をなくす人が出てきますか。

『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ(都築響一:著)』です。



主に本屋さんの紹介と、書籍の紹介で構成されています。
はじめの、「序にかえて 読書と人生のリアリティ」より。

”いい歳して、まわりが見えてない”人たち。
そういうふうに本とつきあえたらと、いつも思う。
「読むべき本」じゃなくて、
「読みたい本」だけを全力で追いつづけること。
それが世間的にどんな恥ずかしい本であっても
ほかの本で隠してレジに持っていったりしないこと。
満員電車の中でも、堂々と開いて読むこと。
紀伊國屋のカバーなんか、かけないこと!
そういう読書人に、僕はなりたい。


この序文だけで、かなり好意をもちました。

本屋さんの紹介では、14軒の本屋さんが登場しています。
どのお店にも共通しているのは、
売れ筋を狙わない、でしょうか。

小さな書店だからこそできる、
「なにが欲しいか」という地元のお客さんのニーズと、
「こういうのを読んでほしい」という店側の提案で作る本棚。

特に感動したのが、和歌山の人口2200人の村にある書店。
書店だけど、
塩もインスタントラーメンもガムも洗剤も文房具もあるのです。

商店が週刊誌と新刊コミックだけ置いてるようなお店を想像しませんか。
ぜんぜん、違います。

作家を招いてサイン会やトーク・イベントを開催します。
村に図書館がないし、学校図書室も充実していないから、
出版社の営業さんと共に本を携え、子供たちが本に触れる機会を作る。
店主みずから気になる本と、お客様に頼まれた本だけを仕入れる。

読んでたら、行ってみたくてムズムズしてきました。
こういう本屋さんに行きたいねんっ。

著者の言葉ですが、

地方に元気がないんじゃなくて、
地方の商売を牛耳ってきた人たちのセンスが
時代遅れになってるだけだろう。


センスがあるってこういうことなんだ、というのがわかります。
本屋さんの紹介部分だけでも儲けた気分になります。


そして、約200冊の本の紹介。
「だれも買わない本」というタイトルに偽りなし。
ほとんどの書籍が、みたこともない。

大半は電子書籍化されていませんでした。
気になった本を、我が市立図書館の蔵書検索したら、
5冊しかありません。


だれも読まない・買わない本は、
図書館にもなく、アマゾンKindleにもなく。
買わなきゃ読めない。
読めないと言われたらますます読みたくなる。

著者の好みでしょう、写真集が多めに感じました。
それにしても、読みたいと思わせる本がいっぱい。
紹介文がそうさせるんですけどね。

都築氏は、「売れてないけど、いいんだよな、面白いんだよな」と
思った本を、自費で購入し、書評を書いているそうです。
その心意気に惚れました。

ベストセラーや新刊だけでは、まったく足りません。
だれかが紹介し、売ってくれて、初めて読めるのです。




読みたい本だけを、全力で追いかける。
そういう読書人に、わたしもなりたい。

最終更新日 : 2020-07-30