吉報配達ブログ

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2020-08-03 (Mon) 05:11

忍んで磨きつづける、「鈍刀を磨く」

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以前紹介した『こんな日もあるさ』の中に、
「文身(入れ墨)」アート活動もしている書道家のお話がありました。


その書道家の書籍です。


身体の一部に文字を入れにくるお客さん。
それぞれに想いをこめた文字を選びます。

そのなかに、「忍」を選んだ女性がいました。

『忍』の『刃』の部分は、『ねばり強く鍛えた刀のハ』のことをいい、
それに心をつけて『ねばり強くこらえる心』



「忍」の意味を知り、坂村真民さんの詩を思い出しました。

鈍刀を磨く   坂村真民

鈍刀をいくら磨いても
無駄なことだというが
何もそんなことばに
耳を貸す必要はない
せっせと磨くのだ
刀は光らないかも知れないが
磨く本人が変わってくる
つまり刀がすまぬすまぬと
言いながら
磨く本人を
光るものにしてくれるのだ
そこが甚深微妙の世界だ
だからせっせと磨くのだ

※甚深微妙(じんじんみみょう):仏様の真理



私はいままで勘違いしていました。
「自分磨き」は、「自分を」磨くものだと思っていたんです。

けれども真民さんは、「自分が」磨かれるものだとおっしゃる。

似てるようで、全然違うと思うんです。
自分のことばっかり見て考えてても、
しょせん、磨かれずに欠けるばかりなのかも。

なにかに向けて、一所懸命磨くというか、
仕込む、修行する、打ち込む。
こういったことが、自分を輝かせていくのだと。
この詩、すごく好きになったし、励まされましたね。


いまって、板前修行なんかも省略されたりしますよね。
それはそれで、アリだとは思います。
修行してない板前さんの料理を、
それなりのお値段で提供されるのならば。
しっかり修行した板前さんの料理には、
それに見合うお値段で提供される。
それはいいと思うんです。

けれども、何年も下積みすることを軽視するのはおかしい。
30年かけて立派になるはずの木を、
3日で大きく成長させようとする風潮。
トトロのどんぐりの木じゃないんだから。


時間をかけることの価値を、あらためて心したいです。
ビュンビュン進む世の中で、
時間をかけることは焦るし、不安にもなるけれども。
「ねばり強くこらえる心」をもって、生きていきたいです。

子育てって、この詩に似てる。
子どもは「すまぬ」とは言いはしないけど笑
「善き親」であろうとするんじゃなく、
じっくり、子どもと向き合ってゆっくり丁寧に。
そうしてたら、いつのまにか、そこそこ「いい親」に
なれてるのかもしれないなあと想ったりして。



詩は、『二度とない人生だから』より引用しました。


最終更新日 : 2020-08-03