吉報配達ブログ

ひっそり咲いている名言に、光を当てる

Top Page › 日本文学・エッセイ › 動物園の役割とは?『午後からはワニ日和』
2020-09-20 (Sun) 05:11

動物園の役割とは?『午後からはワニ日和』

ありがとうございます。吉報配達ブログへようこそ。
吉報を届けることができますように。


動物好きのためのようなミステリー、
『午後からはワニ日和(似鳥鶏:著)』を紹介します。



動物園のワニが盗まれた。
次はミニブタ、その次はクジャク。
どれも「怪盗ソロモン」の仕業。

希少価値のある動物じゃないのに、なぜ?
なんのために連れ去るの?
ソロモンの正体とは?

ゆるい雰囲気だけど、推理や事件はしっかりしているミステリーです。
動物園の飼育係がどんな仕事をしているのかもよくわかります。


新人飼育員が先輩飼育員に問いかける場面があります。


「動物園の役割、って、何だと思いますか」

「動物園の動物さんたちって、人間の何なんでしょうか」




動物園や水族館の存在を否定する意見はたくさんあります。
「生き物を見世物にしている」
「人間の都合で狭い場所に閉じ込めている」などなど。


役割でいえば研究・教育機関のひとつでありますし、
現在なら、絶滅の恐れのある種を守ることが主要でしょう。

先輩飼育員はこう答えます。

「知的活動をすることで生存してきたヒトには、
未知の世界を知る活動が必要なんだと思う。
だから、ヒトの社会がある程度成熟したら、
動物園や水族館は自然と発生するし、
必要とされるはずなんだ」



この回答、私は好きです。
「ヒトは知的活動をする」から次のようなことを思いました。

動物の絶滅には、ヒトの悪い行いが影響を与えている。
それはよくわかっています。

でも、もしも、
ヒトが悪さをせず、
ある種の生き物が絶滅しかかっているとしたら。

やっぱりヒトは、その生き物を助けたいと手を出すと思うんです。

自然淘汰されることを、黙って見ていられない、
それがヒトなんじゃないかと。

動物園否定論者の感情からいうと、
自然淘汰を受け入れなければならないですよね。
手を出すな、ということは、手をさしのべることもなしですよね。

でもヒトは、それはできないと思う。

だからこそ、現在の動物園・水族館は、
その生き物が棲息する環境に似た環境をつくって
飼育するようになってきています(環境エンリッチメント)。

よりよい共存のために研究も必要でしょうし。
もっともっと、ヒトにとっても動物にとっても
よいものをつくっていけそうだと思います。


9月20日から「動物愛護週間」なんですよね。
「愛護」の意味は、

いじめないで、(よさを損なわずに)保護すること。

1週間といわず、年中「愛護」の心をもって。




午後からはワニ日和 (文春文庫)


法律では動物は「器物」扱いなんですよね・・・。
「愛護」と「器物」がかけ離れすぎですね。




最終更新日 : 2020-09-20