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2020-11-23 (Mon) 05:11

『レディオワン』みんなに助けてもらえるはず

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今回は「犬がDJのお話」と知って興味がわいて読んでみた童話、
『レディオワン(斉藤倫:著)』です。



みなさん、こんばんわん。
秋の夜空に、おおきな満月がのぼっていました。

月曜夜九時、犬のDJジョンがおくるラジオ番組、
「レディオワン」。


ひかりのとどかないやみでも、
声なら、きっととどくでしょう。



思いがけず言葉を話せるようになった、犬のジョン。
そんなジョンがラジオのDJとなって、
人間たちに語りかけていく物語です。

なんとも心地良い読後感です。
ぬくぬくホカホカになりました。
本当に犬がこう思ってくれてたらなあ!って。
言葉はなくても、犬と人間は本当に仲良しでいられますよね。


私の好きな章、「ケーキとケージ」より。

ジョンは保健所で処分されるのを待っていた犬でした。
そこへある日、飼い主となる人がジョンをもらっていき、
その日が「ジョン」の誕生日となったのです。

そんな経緯を、ジョンが話せることを知っている数少ない
人間の1人、西園寺さんに飼い主が話していました。

なんでジョンて名付けたの?の質問に、
飼い主は、ジョン・レノンが好きだったこと。
愛で世界を変えようとしていた歌が好きだったこと。
そのジョンが死んだ時、もうダメだと思ったと話します。

「わたしは、おもった。
ああ、にんげんは、もうだめなんだって」


「にんげんだけじゃ、もうだめ、ってことね。
はたらくようになって、たくさんの傷ついたひとをみていたら、
ますますそうおもった。
わたし自身がこわれそうになった。
そんなとき、この子に出あった。
なんだ、わたしたちだけじゃないじゃん、って、おもった。
このせかいは、にんげんだけじゃないじゃん、って」
「あいが、あったんですか?」
飼い主は、びっくりしたように、いって、わらった。
「いぬには、あいしかないよ」



この世界は、人間だけじゃない。
人間だけでどうにかしようなんて考えるからしんどいんですね。
助けてもらわなくちゃね。
きっと頼りになる存在です、種が違っても。


月曜夜九時、耳をすませ、周波数を合わせたら、
DJジョンの声が聴こえるかもしれませんね。



レディオワン (飛ぶ教室の本)


児童文学に分類されています。
でも著者が詩人だからなのか、
普通の児童文学とは違った味わいの文章表現がいい。

たとえば、次のような文章もとても好きです。

見た目の色はわからなくても、こころの色はわかる。
なんて、かっこつけすぎですかね。
「いぬは、かなしみのどうぶつ」ということばがあるそうですが、
そのとき、ぼくには、かなしみの色が、見えました。


特別な言葉を使っていないのに、とびきりの文章になってる。
ひらがなが多いけれど、大人も楽しめる一冊です。

最終更新日 : 2020-11-23